カルチャー
まだ着手できてない衣替えを差し置いても観たい3作。
10月はこんな映画を観ようかな。
2024年10月1日
text: Keisuke Kagiwada
『ウィル&ハーパー』
ジョシュ・グリーンバウム(監)
『バービー』でも忘れがたい印象を残した俳優のウィル・フェレルには、30年来の親友がいた。『サタデー・ナイト・ライブ』時代に苦楽をともにした脚本家であり、2022年にトランス女性であることを公表し、性別移行プロセスにあるハーパー・スティールだ。本作はそんな2人が、17日間のロードトリップを通して、これまでと変わったこと変わらないことを互いに確かめ合うドキュメンタリーだ。また、男性であれば行きやすいが、トランス女性としては恐怖すら覚える場所(NBAの試合や場末のバーなど)へ足を踏み入れることを通して、アメリカにおけるトランスジェンダーをめぐる実情も描かれており、今こそ観るべき作品。Netflixで独占配信中。
『喪う』
アザゼル・ジェイコブス(監)
『ロシアン・ドール: 謎のタイムループ』以降のナターシャ・リオンの躍進ぶりには目を見張るものがある。離れて暮らす三姉妹が再集結し、病に伏せる父親の世話を通して半壊した関係の修復に励む本作でも、しわがれた声ではすっぱな次女を嬉々として演じていて、その姿を拝んでいるだけで、白米3杯はいけそうだ。しかも、監督はアザゼル・ジェイコブス。『フレンチ・イグジット 〜さよならは言わずに〜』『ラバーズ・アゲイン』など、派手ではないがしみじみといい映画を作り続けてきたこの監督だが、本作は群を抜いて素晴らしい出来栄えではないか。Netflixで独占配信中。
『悪魔と夜ふかし』
コリン・ケアンズ、キャメロン・ケアンズ(監)
1977年、ハロウィンの夜。深夜のトークバラエティ番組「ナイト・オウルズ」は、悪魔に取り憑かれた少女を出演させる。しかし、それは恐怖の始まりだった。ほとんどの出来事がテレビの番組の進行とともにリアルタイムで描かれる93分のドラマは、息つく暇がなく没入感が半端じゃない。ダラダラさせずにスパッとぶった斬る幕引きもよく、「やっぱり映画はこうでなきゃ」と改めて痛感させられた。10月4日より公開。
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