TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#4】ファームでの日々

執筆: Tamaki Iwao

2024年9月1日

フォルケで出会った友達がコペンハーゲンから電車で一時間くらいのところのファームで暮らしている。私は夏の間そこのファームでお手伝いさせていただくことになった。ここには馬、ヤギ、ニワトリ、うさぎ、ブタ、羊、牛などいろんな動物がいて、友達は自分の二頭の馬をお世話しながら住んでいる。そしてお父さんはヤギのミルクからアイスやチーズ、ヨーグルトなどを作ってファームの中にあるカフェで売っている。ここのファームでは、自閉症の子、人とのコミニケーションが苦手な子など普通に学校にいったり、仕事に着くのが難しい子がたくさん働いている。そしてみんなそれぞれここに自分の居場所を見つけ動物たちと過ごすことで癒され、また働くことにやりがいを感じている。ここに来るたくさんの人たちもここの動物とふれあいここで過ごし愛を感じて癒されている。

ここにいるたくさんの動物たちはみんなそれぞれいろんなバックグラウンドがある。ずっと暗いところに閉じ込められて、他の馬とは触れ合ったことがなかった馬、アイルランドから船で食べ物も水も与えられずに渡って来た馬、過酷に扱われてきてストレスで最初は毛が全部抜けてしまっていた馬、お母さんがちゃんと面倒を見れず見捨てられてしまっていた羊や七面鳥の赤ちゃん。そんないろんな子が一つの家族になってここで一緒に暮らしている。

ここはどんな人も動物もみんなを受け入れてくれる、そんな場所。愛に溢れる本当に美しいところ。私はそんなところで働いて過ごせる事にとっても感謝している。

日本にもこんなところがあったらいいなと思う。ストレスを抱えた人や普通に働くのが難しい人どんな人でも受け入れ働ける、自分の居場所を見つけられる場所があったらいいなと思う。人は自分の幸せのため周りの幸せのために生きているのに、仕事が忙し過ぎたり、お金のためだけに働いていたりしてそのことを忘れてしまっている人がいっぱいる。
あなたがいることで周りを幸せに出来るって事、愛を持って仕事をすることでたくさんの人を笑顔に出来るって事。そのことをみんなが気づいていったら愛で溢れる世界になると思う。そう信じている。

プロフィール

Tamaki Iwao

いわお・たまき|アーティスト。2004年生まれ。小学生の時に家族で岡山に移住。現在はデンマークで暮らす。絵、陶器、ワイヤー、編み物、パッチワーク、キルティングなど身近な素材をつかって作る。服や帽子、セーターなど身につけるものも手作りするのが好き。日本各地での展示 ライブペイント 2021 霧島アートの森「岡本仁が考える 楽しい編集って何だ?」での作品制作展示など。

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