フード

卵液でタネをつなぐ、コロッケ。

定番料理のニューディール。Vol.30

定番料理のニューディール。

photo: Haruki Anami
illustration: Cari Vander Yacht
text: Ryota Mukai
web edit: Miu Nakamura
2026年11月 955号初出

2026年10月10日

『BEARD』店主・料理人の原川慎一郎さんによる本誌の連載「定番料理のニューディール」。みんなが好きなお決まりのメニューを再考し、カンタンに、そしてちょっとお洒落に作る方法を料理人の原川慎一郎さんが提案します。POPEYE Webではそのレシピをムービーでご紹介。第30回はコロッケ!

ソースなしの潔いコロッケ。衣のクリスピーさとタネのクリーミーさの、食感のバリエーションが面白い。じっくり火入れした挽き肉と玉ねぎは、噛むほどに味わい深い。サイドのマスタードキャベツをつまみつつさっぱりと。ワインが合う。

– 材料(2人分)-

・じゃがいも(男爵 300g
・合い挽き肉 200g
・玉ねぎ 150g
・卵 2個
・バター 50g
・小麦粉 適量
・パン粉 適量
・塩 適量
・胡椒 適量
・菜種油 適量

– 作り方 –

1. じゃがいもの皮を剥き、半分にカットして塩茹でします。塩の量は水の1%分です。竹串がスッと刺さるようになるまで火を入れてください。

2. フライパンに菜種油(大さじ1)とバターを入れて中火にかけます。バターが溶けたら、合い挽き肉を加えましょう。赤味がなくなってきたら、みじん切りにした玉ねぎを加えて炒めます。焦げができ、水分が十分に飛ぶまでじっくり火を入れてください。グラタンのような香りがしてきたら、火を止めて塩(適量)で調味し置いておきましょう。

3. じゃがいもをマッシュしましょう。鍋で弱火にかけて水分を飛ばしつつ潰します。ここに粗熱が取れた合い挽き肉と玉ねぎを加えて混ぜます。塩・胡椒(適量)で調味してください。

4. タネに卵液(1個分)を練り込んでいきます。2、3度に分けて、都度よく混ぜ、卵液と油分を乳化させていきます。味見をして、必要があれば塩・胡椒(適量)で調味します。味が決まったら、バットに薄く広げて入れて、冷凍庫で冷やします。

5. タネが十分に冷えたら4等分し成形します。空気が入らないよう左右の手にパンパンと行き交わせましょう。小麦粉、卵液(1個分)、パン粉を付けたら、揚げる準備は完了です。

6. 小鍋で油を熱します。油の量はタネが半分浸るくらいです。竹串を入れて気泡が立つくらいに温まったら、タネを入れます。片面が色づいたら裏返し、両面ともに色づいたら取り上げます。

-マスタードキャベツ-

材料(2人分)

・キャベツの千切り 適量
・玉ねぎのみじん切り 大さじ2
・マスタード 大さじ2
・赤ワインビネガー 大さじ2
・塩 ふたつまみ
・菜種油 大さじ6

玉ねぎ、マスタード、赤ワインビネガー、塩を入れたボウルに、菜種油を加えかき混ぜます。2、3度に分けて、都度しっかり混ぜてください。このドレッシングにキャベツを和えたら完成です。あれば、ディルやレモンピールを添えるのもおすすめです。

– 今月の古来種 –
長崎赤長かぶ

戦前から栽培されてきた、長崎県のかぶ。赤色で細い形状から、赤鬼の腕を想起され、魔除けとしても食べられてきた歴史を持つ。「ジューシーというよりホクホクした味わい。柑橘との相性もいいんです」

古来種野菜とは? 品種改良されず、日本各地の畑で長きにわたり受け継がれてきた種のこと。在来種とも。「野菜の民芸品のようなものです」

– 小さな流儀 –
このためだけにマッシャーを1本。

マッシャーという名前なので、なんでも潰せる気がするが、実際「じゃがいもくらいにしか使わない」と原川さん。そう聞くと、単機能も潔くてアリな気がしてくる。丸穴ではなく四角穴だと粗くも潰しやすい。

プロフィール

卵液でタネをつなぐ、コロッケ。

原川慎一郎
『BEARD』店主

はらかわ・しんいちろう|1978年、静岡県生まれ。長崎県雲仙市でレストラン『BEARD』を営む。北海道函館市のカフェ『cafe water』のオーナーでもある。

Instagram
https://www.instagram.com/beard_shin_harakawa/