カルチャー

私的にいいとこ、詩的なところ。Vol.30/ローズちゃんと、玉川高島屋ローズガーデン

2026年3月24日

photo: Keisuke Fukamizu
text: Ryusuke Kurokawa
edit: Toromatsu

遠かったよデパート
燦々と吸い込まれていく人々は異邦人
のように見えたね坊ちゃん刈り
取材の名を借りたデロリアン乗って
さながらタイムトラベルいまさら
まじまじと
タツノオトシゴの取手に
床の大理石には化石
エスカレーターは刻を見送るように
買うという結果だけ求める人はここにいない

多摩川が跳ねる乱反射のせせらぎ
たえずして元の水にあらず
鴨つめたさに潜り
長く明ける栄達に踊るまちをはじめた

甥の誕生日プレゼントはネットではなく
繋いだ手で
あの高島屋で買った

インフォメーション

玉川高島屋S.C.

玉川高島屋の本館エレベーター前にいる人形を見て、ただならぬ歴史を感じた。調べるとその“ローズちゃん”は洋画家の高岡徳太郎によって1962年に高島屋のシンボルとして作られたと知った。玉川高島屋は1969年にオープン。いつからこの人形はここにあるのだろう……。先人たちはこのエリアを「高島屋ができるまでは何にもないところだった」と口々にいう。東館から本館へ向かう連絡通路とローズガーデンを通ると、館のつくりがまるで街のようで、すでにある街に建ったのではなく、館を軸にこの街ができていったのだと感じさせられる。と、古き良きを巡るのもいいが、写真のハートを持ったローズちゃんは2024年に生まれた玉川高島屋オリジナル、その名も”ハナミズキローズちゃん”。ぜひこちらも館内を歩いて探してみて。

〇東京都世田谷区玉川3-17-1