ライフスタイル

POPEYE Web編集部の日常ブログ。

2025年 12月

2025年12月27日

POPEYE Web編集部の、ゆったりブログ。
– スタッフが見たもの、食べたもの、買ったもの etc をたまに更新します。 –


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「まずはキャプション名人になれ」

 編集部にはフリーデスクがひとつあって、出張のお土産や撮影で余ったお菓子などが置かれています。お腹を空かせたスタッフがそれぞれのタイミングで食べて、ちょっとした憩いの場になっている平和なスペースなのですが、ひとつだけ残酷な点があって、それはパッと見でマズそうな物はまったく減らないこと。さらに共有スペースという性質上、捨てる権利を誰も有しておらず、まったく減らないマズそうなお菓子が半永久的に残りを続けることが悲劇を際立たせています。

 先日、そんなデスクにドリアンのお菓子が一袋がありました。

 見た瞬間に残り続ける運命を確信。かといって、自分で食べて減らしたいとも思わないし、破棄するほどの義理もない。そんなとき、アルバイトの佐藤さんから「本当においしいので食べてください」と言われて、食べてみると本当にオイシイという予想外の結果。でも、言われないと絶対に食べないと思うと佐藤さんに伝えて、夕方撮影から帰ってくると、ドリアンのお菓子の横にキャプションが添えられていて、一袋あったドリアンのお菓子がほぼ完売状態に。一言を添えるだけで悲劇を防げたことに感動して、改めて雑誌に必要不可欠なキャプションの重要性を感じる出来事でした。そして、ライターになりたてのとき、大先輩に「いきなり長い文章はうまく書けないから、まずはキャプション名人になれ」と言われたのを思い出しました。

2025年 12月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


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アラスカで巡り合った変な家

 沈まない月の反対側から、午前10時を過ぎた頃にようやく太陽が顔を出し、6時間ほど経てば、あっという間に夜へ。両者はそのまま互いの地平線付近に居座り続け、暗くなるにつれて、気温はマイナス20〜18℃に設定されている家庭用冷凍庫と同等か、それさえも下回るほど極寒に。気を抜くと、まつ毛や鼻水まで固まり出す始末。もちろん道路はツルツル、街路灯もほとんどなく、歩くことさえままなりません。「極北」の名に相応しい夜空には、天気が良ければ毎晩のようにオーロラが流れてきます(地元の人はノーザンライツと言っていました)。

 とまあ、今年11月18日から3週間ほど旅をしてきて感じた冬のアラスカは、こんな感じ! 前回のブログで前置きしといてなんですが、結果から言うと、「公共の居場所」は必要ありませんでした。というのも、そんなセーフティースポットを探す間もなく、到着して3日目には「旅行者ではなく、出来るだけ街の生活者と同じ目線で滞在を」という自分の願い通りになったから。ラッキーなことに、とあるネイティブの男が住む一軒の古びたガレージハウスに転がり込めたのであります。

 そこは、アラスカ最大の都市・アンカレッジの南部に位置するガードウッドという小さな町の外れにあって、毎夜怪しげなネオンライトで彩られる“変な家”です。部屋へと続くガレージにはバックカントリー用のスキー/スノーボードギアが山のように並べられ、リビングに入ると、ヘミングウェイの格言やボブ・マーリーのポスター、見知らぬグラフィティやサイケなドローイングだらけ。床には飲み干したファイヤーボール(ウイスキーをベースにたっぷりのシナモンと砂糖が入った強めのお酒)の容器やパケが散らばり……。人によっては「汚部屋」と思うかもしれません。ですが、僕にとっては、そんなリアリティこそ求めていたものでした。

 40ℓのバックパックを背負っていたあてのない自分を「うちに来いよ」と温かく迎えてくれた家主の名前は、ジョン・ストレンジ。これから少しずつ、「ストレンジ・ハウス」で過ごした19日間を何らかの形でまとめていくつもりです。毎晩、この家にどこからともなく集まるガードウッドの住民たちと飲み交わし、喧嘩し、一緒に雪山へ行った日々は、まだ氷塊のように閉じ込められたままです。

2025年 12月
宇都(POPEYE Webライター)


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新年から始める、ニューアウトプット方。

「描かれるのは、現在地と目的地、それにランドマークくらいで、あとは極端にデフォルメされたり省略されたり。そういう地図って、現実の正確な表現じゃなくて、その人の頭のなかにだけあるものなんだと思う。いろんな経験をかさねることで更新されながら、必要に応じてアウトプットする。……」

 先日、友人宅の本棚を眺めていたときに偶然手にとった2005年12月号の芸術新潮。その中に掲載されていた、当時日本に越してきて4年目になる「POSTALCO」のマイク・エーブルソンさんの「my favorite things」という記事の中の言葉に、分かる〜と僭越ながら共感。というのも、生活は「毎日何を繰り返しているかとその蓄積」でできているんなじゃないかと思っていて。よく、POPEYE Webのデスクでもよく繰り広げられている「人の性格は、生来のものか、環境によるものか」論にも当てはまりますが、今の自分は、それまでのアーカイブだよな〜と。(生来派の人、すみません)

 と言いつつ、昨日の晩御飯のメニューだって覚えてないってことは日常茶飯事。一年を振り返ると、「あれ、この時期何してたっけ?」って思うこともしばしば。そんなわけで、2026年からは、ポスターで一年丸ごと見えちゃうカレンダーを導入してみることにしました。カレンダーといっても、未来の予定を記入していくのではなく、日記のように、その日何をしたかはもちろん、食べたものや会った人、印象的だった一言、etc……。自由に気になったことを書き込んでいくスタイルにしようと思います。次の年末、これを眺めたら、「やたらスイーツのことばっかり書いてるな」とか「真面目に黒鉛筆で枠に小さくテキストを収めていく派の人だったのね」など、自分の気が付いていなかった一面を知ることができるかも。3日坊主にならないよう、新しいアウトプット方、始めます。

選んだのは、POSTALCOの「ワンイヤーウォールカレンダー」。前述の雑誌を手に取った次の日にたまたま届いた。メイドインジャパンの品だから、祝日の記載なども日本のものに合わせられているのが嬉しいポイント。セロハンに包まれている姿も可愛くて、取り出すのが辛い……。

2025年 12月
中村(POPEYE Webライター)


「超〜ちっちゃい本を作りたいんだけど、見積もりとってみてくれる?」

 4月に入社し、9月くらいからPOPEYE Webチームに加入したわたしに与えられた、最初のミッションがこれでした。

 それからというものの、「でっかいハイエースをポパイ仕様にしたい」とか「岩手の山でキノコ狩りイベントをしよう」とか、いままでの人生では出会ってこなかったバラエティ豊かな仕事ばかり。刺激的かつ楽しい毎日を過ごしています……みたいな話もしたいのですが今回はそれは置いておきまして、ついにそのファーストミッションが形になりましたというご報告です。

 その名も、「Tiny Book 〜How To Enjoy POPEYE Web〜」。POPEYE Webって、一見雑誌POPEYEのウェブ版にも見えかねないサイトですが、見れば見るほど個性と地味なこだわりと遊び心が随所につまっているんです。そんなPOPEYE Webを120%楽しむための歩き方的なミニミニガイドブックになっています。ちなみにテイクフリー!

 直接会った人に手渡したり、自分たちの好きなお店に置いたりしたいなと画策しているところですが、まずは現在銀座ソニーパークで開催中の「マガジンハウス博」に本日24日から置いてみようと思います(無事に納品されていれば)。マガハ博は25日までなので、2日間限定。お近くに立ち寄った際は、ぜひ手に取ってみてくださいね。モスグリーンのポパイカーのどこかに置いてある、はず。

2025年 10月
諸角(POPEYE Webエディター)


福利厚生案としても。

 マガジンハウス博のPOPEYEゾーンでは、自由が丘の老舗古書店『西村文正堂』の協力のもと各年代のマガジンハウスの古本が銀座に集まっています。

 現在進行形で雑誌を作っている出版社が古本を売るのは、洋服のブランドが店の一角で自身のブランドの古着を売るようなものなので、意外と今までなかった行為。

 個人的に古書店に訪れてマガジンハウスの古本を買うことはありましたが、ここまでの塊を一気に眺めるのは初めて。POPEYE、BRUTUS、Tarzan、ananから平凡パンチのような廃刊した雑誌まで、幅広く揃えていただいたのですが、それらの表紙をパラパラ見ていると、直感的に「おもしろそう、つまらなそう」「欲しい、欲しくない」がお客さん目線で見えてくるように。いま作っている雑誌もこの山の中に入ったときに目立てるか、そんな視点が芽生えてきました。

 福利厚生なのか、社員研修なのか、社員教育なのか、カテゴリーはわかりませんが、会社のスペースにマガジンハウス古書コーナーを常設して、自由に買えたり、読んだりできたらいいなと思ったので、イベントが落ち着いたら会社に企画書を提出しようと考えてます。ついでに、古紙回収ならぬマガジンハウス古書回収を自分たちでやってみるのも良いのではと思いました。POPEYE CARで。

2025年 10月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


公共の居場所を探して。

 家に居場所がない、というわけではありませんが、パートナーによると仕事をするときの自分はどうやら別人格になるようです。「話を聞いていないのに話しかけてくる」、「ピリピリしている」、「部屋が珈琲と人間がmixした匂いなのだけど」etcetc……我ながら確かにそれは勘弁して欲しいものですね、でもこちらとしては集中しているので仕方ありません。

 同じ悩みを抱えている在宅ワーカーの皆さま、意外と「地区センターの学習室」がオススメです。というのも、ちょうど先日に理想的な場所だと判明しまして。POPEYE Webでもよく撮影いただいているフォトグラファー・五十嵐一晴さん(過去に執筆してくれたコラムも面白いのでぜひ読んでみて)から教えてもらったところで、自宅から程近く、定員も最大14名とベストな狭さ。もちろん無料&ほぼ無音。きっとどの地区も白熱球で照らされたTHE・無機質な感じのはずです。猛烈に勉強する学生から本を片手にノートを取るおじいちゃんの粛々とした雰囲気に背筋が正され、精神と時の部屋のごとく捗ることは間違いありません!

 ところで、僕は来月、3週間ほどアラスカに旅をしてきます。行き当たりばったりな性分なので全く計画をしておらず、今のところ往復で格安航空チケットを取ったのみ。場所にもよりますが、かの北の地はすこぶる極寒(例えば同州最大の都市・アンカレッジのお昼だと11月の平均気温はマイナス6℃)。自然を舐めるなと怒られそうですが、とはいえ毎日のように宿屋に泊まるのは旅費が馬鹿にならないし、気分や流れで行き先を決めたい。だから、未来の友だちの家に転がり込んだり、野営をしようかと思っています。旅行者ではなく、出来るだけ街の生活者と同じ目線で滞在を。リアルな光景を体感しに、気ままに行ってくる所存であります。

 こんな場面こそ「公共の居場所」だけはリサーチする予定です。今度は熊が跋扈するアラスカでのセーフティースポットになるはず。人生未踏の地で果たして辿り着けるのか……!?  結果は次回のブログで!

2025年 10月
宇都(POPEYE Webライター)