川島君のアイデアはLIKEのレシピ本を作るということ。
さらに普通のレシピ本ではなくてレシピとエッセイの本だということ。
それを聞いた時に川島君にお願いして本当に良かったと思った。
自分には無い発想。自分の感覚を超えてくる提案。
さらにそれは自分の表現ではなく、第３者に自分のお店の表現をしてもらいたい
というこちらの願望を完全に満たしてくれる内容だった。

たまたまLIKEは著名な方もご来店いただくことが多かったので常連さんや友人たちにお願いすればエッセイの本としても成り立つことができる。
無理をしてエッセイをお願いするのではなくて自然な形でお願いすることができるし、
パーソナルな関係があるからLIKEならではの本になるということであった。

飲食店の面白いところはお客さんの層が広いので、年齢も職業も様々な人が来てくれるし、
色々な人と関わることになる。飲食店が作る本だからこそ成り立つ企画かもしれない。
レシピとエッセイの本、そんな本今まで見たことないけど、素敵な本になることが容易に想像できた。

贅沢時間は終わりを告げて、贅沢した分、倍返しで忙しさに拍車がかかった。

「レシピを30品出してください！」
ちょっと待ってくれ、分量を出すのが苦手な自分にとっては結構ハードルが高い。
基本的はLIKEで提供していた料理をベースにしているので大半はレシピが残っているのだが、お店では結構手間がかかってしまったり、手に入れるのが面倒な食材なんかもあって、少し作りやすく家庭用に落とし込む必要があるものもあるので分量や工程を見直す必要も出てくる。

後はお店で食べるのと家で作って食べるのとでは食べたいものも違ってくるかと思うので、LIKE的家庭料理みたいなものも改めて考えた方がいい。
30品全てではないけどまあまあな数の試作や試食をすることになる。

これだけ聞くと凄く大変な事をしているかの様に聞こえるが、料理研究家の方や
レシピ本を沢山出版しているような方達は100品とかそれ以上のレシピを作って、
1日で50品くらい撮影するなんてこともあるらしい。
レベルが違いすぎる、、、、

今回はレシピだけじゃない。同時にエッセイの方の企画も進めていく。
数名は出版社チームと編集チームがお声がけ頂いて今回初めましての方もいたのだが、
自分の知り合いや常連さん達の執筆者候補の方に連絡を入れていく。

正直お願いする人達はすでに各分野ですごく活躍している方達だったし、今回の本でウチと絡んでも大した旨みも無いだろうけど、ある程度の自分との関係性もあるから依頼された方は断りづらいかなーとか色々と思いつつ、皆に恐る恐る連絡をした。

そうすると意外にもお願いした全員からOKの返事を頂いた。
しかもポジティブに応援してくれる声が多かった！

#4につづく