ライフスタイル
釣果よりも面白さに振り切ったルアーが揃う老舗『JUNK FOOD』。
東京五十音散策 阿佐ヶ谷③
2024年1月4日
photo: Hiroshi Nakamura
text: Fuya Uto
edit: Toromatsu
東京都内の駅名を「あ」から五十音順に選出し、その駅の気になる店やスポットなどをぶらりと周っていく企画「東京五十音散策」。1文字目「あ」は麻布十番に続き、阿佐ヶ谷。
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/12/JUNK-FOOD_001-1.jpg)
霧がかった湖畔やダムで、竿に反応がない日はビギナーなりに肩を落としていたバス釣り。狙っている魚と水中で対峙するルアー(擬似餌)は、食わせる動きやフォルムに特化したいわゆる最新のものを使っていたけれど、こんなフリーダムな世界があるなんて。見た目やギミックでワクワクするのが優先、釣れれば尚よしとするそのものは界隈から“トイルアー”や“B級ルアー”なんて呼ばれている。
深淵を魅せてくれたのは、早稲田通り沿いに佇む『ジャンクフード』。ウェブショップのURLがトイルアードットコムと、まさにその名の通り、ブラックバス用の釣道具を中心にトイルアーを膨大に所有・販売している釣具屋で、収集された国内外のヴィンテージから木製ハンドメイドの一点物まで所狭しに並ぶ。例を挙げると、パワーパックという元祖ゼンマイ仕掛けのものや、日本の玩具メーカーのもの、〈へドン〉の約100年前のアンティークなど、リアルな小魚から離れた造りが素人目でも面白い。
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/12/JUNK-FOOD_023-2.jpg)
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/12/JUNK-FOOD_025.jpg)
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/12/JUNK-FOOD_021-1.jpg)
日本には何軒かこういった類のものを扱うお店があるようで、店主の椎名和広(しいな・かずひろ)さんも自身でコツコツ収集するうちに惹かれていったそう。遂には店舗として構え、釣ることそのものよりも、プロダクトとして心躍るトイルアーに特化するように。安価なものなら1,000円代から用意されていて、気軽に“遊び”を楽しんで欲しいというマインドがなんとも有難い。
「まさかなんだけど、これで釣れたんだよね〜」と、使用するまで予想できない意外性も醍醐味のひとつ。見てよし、使ってよし。自分自身が面白がれるトイルアーを使えば、例え釣れなくてもこれからのフィッシングライフがもっと楽しくなる、そう確信した。
インフォメーション
![ショップ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/12/JUNK-FOOD_036-1-320x480.jpg)
JUNK FOOD
阿佐ヶ谷駅から中杉通りを北へ徒歩15分、2000年にオープンした釣具屋。入店して早々圧巻のルアーばかりに目がいくけど、古い竿やリール等もピンキリの価格帯で販売されているので、1から揃えたいビギナーにこそ訪れてみてほしい。また、ほとんどのトイルアーが水面を走るトップウォーターが中心だから、無くす心配が結構少ないのも嬉しいポイント。使わない日は部屋に飾れるくらいヴィジュアルに凝った世界があった。
◯杉並区阿佐谷北6-17-4-103 13:00~20:00 水曜休
Official Website
https://www.toylure.com/
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