フード

梅ヶ丘の食卓の新定番、AUS仕込みのサワードウを提供する『BAKE STORE』。

東京五十音散策 梅ヶ丘②

2023年10月4日

photo: Hiroshi Nakamura
text: Eri Machida
edit: Toromatsu

東京都内の駅名を「あ」から五十音順に選出し、その駅の気になる店やスポットなどをぶらりと周っていく企画「東京五十音散歩」がスタート。3文字目「う」は梅ヶ丘。

『BAKE STORE』店内

 扉を開くと、清潔感のある店内から漂う、酵母の爽やかな香り。バターや甘い匂いとは違った新鮮な芳しさが心地いい。

 今年3月にオープンした『BAKE STORE』は、オーストラリアで修行した太田翔一朗さんがベイカーを務めるサワードウ専門店。学生時代に行ったゴールドコーストで食べたパンやミートパイの美味しさが忘れられず、6年間働いた食品会社を退職して、2016年にオーストラリアへ。サワードウの卸売り店『PANYA』で働き、現在使っている酵母もここから受け継いでいる。

 開店時間は15時とパン屋にしては遅めなスタートで、お店を開けてからはお客さんへの応対だけでなく、配送作業でも忙しい。サワードウは焼きたてよりも時間が経つほど味が馴染んで旨みが増すから、朝に焼いたものを出しており、常温のまま全国に届けることも可能。

『BAKE STORE』ベイカーの太田翔一朗さん
太田さんが持っているのは、看板メニューのホワイト¥950 ハーフサイズ(¥550)もある。 太田さんは焼いてから3日ほど経ったサワードウが好み。

 そのままでも味わってほしいけれど、それぞれのパンにおすすめのアレンジも提案しているのがこのお店の魅力。食パン型は卵やトマト、ハムのサンドイッチに。ドライフルーツ入りはトーストしてバニラアイスクリームを乗せるのが一押しで、チャバタなら生ハムやクリームチーズを挟むとさらに美味しくなるそう。お店で推奨している食べ頃は購入した翌日以降。すぐに食べたい気持ちをぐっとこらえて翌朝いただくとしみじみ美味しい。太田さんおすすめのアボカドトーストも試したらもう最高の1日の始まりだった。アレンジ次第で朝昼晩いつでも楽しめるのはもはやおにぎりのよう。常にストックしておきたいサワードウだ。

サワードウブレッド
ガラスケースの上にあるパンは季節限定のものが多いので要チェック!

インフォメーション

『BAKE STORE』看板

BAKE STORE

オーストラリアへ行く前はパンを焼いたことすらなかった太田さんがすっかりサワードウに取り憑かれたのは、土地や気候、作り手によって唯一無二なものになると気付いたから。冷蔵庫内のビールやワインは、太田さんが現地で気に入って飲んでいたものがほとんどで、定期的に入荷している。パンの名前には店主の恩師や修行先の頭文字を入れているものもあり、初心を忘れない気持ちが滲み出ていた。10/5より昼の営業も始まり、サワードウサンドイッチ等の提供も計画中。

◯東京都世田谷区梅丘1-15-10 ☎03・6413・9799 11:00〜18:30 火・水休

Instagram
https://www.instagram.com/bakestore_hanegi/