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『青天の霹靂』のお米を買って帰ろうか。
合言葉は「あ、袋はいいです、そのままで」。
2022年11月14日
photo: Naoto Date
text: Shintaro Kawabe
もはや白いTシャツにこだわるのは当たり前で、お米にこだわってこそシティボーイ。味はもちろんだけど、袋やCMにセンスがあるのも大事な要素なわけで、そんな感覚でいうと今一番“近い”と感じるブランドが青森のお米『青天の霹靂』だ。ひとまず、シソンヌじろうさんが一人コントを演じるWEB ムービー『AOMORI CITY BOY & GIRL』を見て欲しい。まぁ、面白いのは当たり前だが、意外にもナチュラルに見えたのがじろうさん演じるシティボーイズ&シティガールズたちがお米の袋をそのまま持って歩いている姿。フランス人がバゲットを手に持って闊歩するんだから、日本人だって米を袋のまま持って帰るのも自然なことなんじゃないかと思わせる妙な説得力がある。ということで、それを元ネタに『青天の霹靂』の米袋を抱えたスタイルをスナップしてみた。『青天の霹靂』を買ったら、こう言おう「あ、袋はいいです、そのままで」。
駒澤大学体育会サッカー部のエースストライカーのウォーくんは、プロサッカー選手を目指して日々練習に励んでいる。「どんぶりに盛られた白米を毎日食べることで、僕のプレーが最大限発揮されているんだと思います。キムチ鍋があれば、特盛りご飯もすぐに平らげちゃいますよ」。普通の古着さえも似合ってしまうのは、しっかりと食べて一生懸命トレーニングした説得力のあるフィジカルがあるからこそ。
「仕事で一日中立ちっぱなしの時もあるので、エネルギーを蓄えるために白米はなるべく毎日食べたくて」と展示会を運営する会社に勤める田栗くん。ストックを切らさないのはもちろん、毎日食べるための工夫も欠かさない。「おばあちゃんに教わった方法なんですが、お米を買ったら2合ずつ測ってすべて小分けのパックにしているんです」。その数、なんと50袋! 便利な商品に頼りがちな世の中、知恵を使って快適なお米ライフを送る田栗くんに拍手。
「気分が落ち込んでいるとダンスのキレが極端に悪くなるので、日頃からハッピーでいられるように心がけています!」という高山さんの笑顔の源は、定食屋さんで食べるご飯。行きつけは渋谷の『越後屋 三太夫』だけど、他にもマイフェイバリットがたくさんある。「とある定食屋さんのおじさんが教えてくれたんですけど、食感が統一されないようにおかずがやわらかい場合は硬く、おかずが硬いときは柔らかく炊くのがいいんですって」と足繁くお米を食べ歩いているからこそ得られた豆知識を教えてくれた。
「得意料理は留学先のイタリアで学んだリゾットです。ダシからこだわって作りますよ」と話すのは、DJデュオ『WASP』のメンバーでありながら編集アシスタントとしても働くSOTAくん。そんな洒落た小話とは裏腹に、彼が本当に好きなご飯のおかずは母親がつくる甘い味付けの肉じゃが。「これがあればご飯は何杯でもいけちゃいます。最近、一人暮らしをはじめたので、たまにあのお母さんの味が恋しくなるんですよね」と人を惹きつけるナイスキャラな一面も。
付き合って1年半のルッキンググッドなカップルは買い物帰り。「ご飯はたらこと一緒にたくさん食べたいよね」と笑顔で話す長塚くんに対して、「私はおかずなしでご飯だけ食べたい派」という”米玄人”な木村さん。いろいろなお米を試していて、実は『青天の霹靂』もジャケ買いをしていたらしい。2人の白米に対する価値観に少しのズレはあるけれど、長塚くんが作るタコライスやチキンライスといったお米を使った料理は木村さんの大好物と聞いて一安心。
ビートメイカーのダニーくんは無類の米好き。かつては唐揚げをご飯のおかずとして好んでいたが、上京と共にアップデートされたらしい。「高津の焼肉屋さん『ドリルズ』はお肉だけでなく、最高にうまいキムチがあってご飯との相性が完璧なんです。しかも店内のBGMがハウスなのが良くて、アーティストやラッパーの友達と深夜まで音楽談義をしています」。米とキムチとハウスとラッパー。なんだか新しいカルチャーが生まれそうな匂いがする。
友人のシルクスクリーンスタジオ『CREATION』に出入りしたり、飲食店でアルバイトする大学生の村上くん。“いまどきの子”と思いきやお米の炊き方はプロ顔負け。「氷水にお米を入れて、冷水を芯まで吸水させてから炊いています。そうすると、お米がしっかりと炊き上がるんですよね。両親の教えによって、物心がついた頃から包丁を使っているので、今でもほぼ毎日自分で料理をしています」。料理ができるのはもちろんだけど、米の炊き方を語れるのってカッコいい。
トラックメイカーの源田くんは、日々音楽制作に明け暮れているため毎日夜更かし。「夜中に夕食をとったり、変な時間に食べることがほとんどです」。けれど、今日は彼女が家に遊びにくるということで、手料理を振る舞う大事な日。しっかりと選んだお米をゲットできたから、あとはキッチンに立って作るのみ。今は近所のスーパーの帰り道でちょっと休憩中なのだ。
往復15km(!)の通学も〈コナ〉のマウンテンバイクで向かう大学生のコワクくん。とにかくお米と味噌カツの組み合わせが大好物。「池袋の『とんかつは飲み物』、新宿の『赤坂うまや』、青山の『まい泉』には、ご飯にめちゃくちゃ合う味噌カツがあるんです。もちろん、どの店も自転車で足を運びました(笑)」。クイックに移動できる自転車があれば、路地裏の名店も探せるし、カロリーも消費できて一石二鳥だ。
「生まれ育った葛飾区や隣り街には、白米が美味しい店が本当にたくさんあるんですよ」と熱く語るのは地元を愛する齋藤くん。青砥の米屋『森田米店』が営むおにぎり屋さん『おにぎり もりた』や、店の向かいの米屋から仕入れる船橋の『花生食堂』など、美味い米を基準に足を運ぶ。そんないい店を見つける術は、ネットに頼らずに自分の足で稼ぐこと。〈サロモン〉のアウトドアシューズを履きこなしているのも納得だ。
散歩がてらお米の買い出しに来たアーティストの福井くんは、かつてプロサーファーを目指していて、お父さんは元プロサッカー選手というアスリート一家育ち。お米をよく食べるファミリーだったそうで、好きなおかずもパワフルだ。「最高のお供だと思っているのはトンカツです。好き過ぎて、犬の名前をとんかつの名店『まい泉』にしちゃいました」。グッドセンス!
地元長野で実力派と名高い若きスケーターの篠原くん。「長野県しかないチェーンの中華屋『テンホウ』のチャーメンは、麺の上に野菜炒めがのっていて、それが白米と相性抜群。ぜひお米と一緒に食べて欲しいです」と好きなご飯のおかずからもローカルへの愛を覗かせる。いつかは東京でスケーターとして活躍することを夢見ているというから都内のパークで出会ったら、米トークをしよう。
「最近、もち麦を入れて炊いたときの、あの食感が好きなことに気づいちゃって」と優しく米袋を抱えて話すショップスタッフの石田さん。色とりどりな洋服を身に纏って店に立つ彼女も、デイリーウェアは控えめな色合わせ。「ご飯に一番合うのは絶対に梅干だと思っています。と言ってもそんなにたくさん食べれるタイプではないので一杯が限度ですが」とシンプルな普段着と同様に、好きなおかずもシックだった。
会社員として働くクリスくんは来日4年目のアメリカ人。「好きなおかずは漬物です。最近は仕事で忙しくて作れていませんが、昔はよく自分でニンジンやきゅうりを漬けて食べていました」とスナップした中でももっとも日本らしいアンサーで、お気に入りのブランドも〈コムディギャルソン オムドゥ〉といったドメスティックブランド。食もファッションも日本のものを好むから、米袋を持って昼下がりの住宅街を歩くという“ジャパニーズムーブ”もすんなりと馴染めるのかも。
「料理上手な母の影響で、僕も料理にハマってしまって」という中島くん。彼女の内定祝いのために、鱈のポワレや砂肝とマッシュルームのアヒージョなどを10品ほど振る舞ったり、成田の中華屋『百香亭』の豆苗炒めを完全再現したり、その本気度は趣味の域を超える。けど、一番好きなご飯のお供は肉じゃが。身を包んでいる〈パラブーツ〉や〈コムディギャルソン〉といったオーセンティックなブランドのように、やっぱりベーシックなものが一番しっくりくるんだとか。
インフォメーション
青天の霹靂
「さっぱりした味わい」というお米の新しい価値観を追求する青森のお米ブランド。青森県産のお米にして初めて、日本穀物検定協会が主催する米の食味ランキングにおいて最高評価の特Aを受けた。ちなみに、パッケージのデザインは空がパカッと割れて、青天の霹靂が飛び出している様子を表現している。
Official Website
http://seitennohekireki.jp/
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