カルチャー

『ビデオマーケット』店長・涌井次郎が選ぶ、辺境のホラー。

2021年8月22日

真夏のホラー大冒険。


photo: Kazuharu Igarashi
text: Neo Iida
2021年9月 893号初出

 アメリカのホラー以外にも見聞を広げたい。新宿『ビデオマーケット』店長の涌井次郎さんに世界のホラー事情を聞いてみた。

「独特な映像美の『魔女伝説・ヴィー』は、旧ソ連時代の作品。共産圏では国の管理下で撮影をするので、当時のホラーは貴重です。スペインは泥くさい人間模様が描かれている印象がありますが、これは1960年代までのフランコ独裁政権による抑圧の反動じゃないかなと。政治の影響は大きくて、イギリスで格調高いゴシック・ホラーが作られがちなのは、検閲が厳しいから。臓物などの描写は避けられますね。サッチャー政権下では発禁リストが出て、『悪魔のいけにえ』も2000年くらいまで観られなかったくらい。メキシコはルチャ・リブレの国らしく、レスラーがリング場で戦う作品が(笑)。香港映画は面白ければなんでもありで、呪いや祟り、実際の事件まで様々。ちょっと汚らしいくらい、画づくりもとことんやりますね」。

まずは涌井さんが選んだ5作品で、世界を知ろう。

『魔女伝説・ヴィー』
『SPIDER』
『狼男とサムライ』
『BAT WOMAN/THE PANTHER WOMEN』
『ドラゴンVS.7人の吸血鬼』

インフォメーション

ビデオマーケット

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