CULTURE

伝説のホラーコミック出版社、ECコミック。

キングとロメロも大好きだった「ECコミック」。

2021.08.12(Thu)

photo: Kazuharu Igarashi
text: Neo Iida
2021年9月 893号初出

ECコミック
1950年に『Tales from the Crypt』『The Haunt of Fear』『The Vault of Horror』の3誌を創刊。過去にもフランケンシュタインや狼男などのモンスター映画は存在したが、“コミック化”には至らず。コミック・コード制定の翌年に惜しまれつつ休刊。

 アメリカ初の本格ホラーコミック出版社、ECコミック。陰惨で残酷極まりないスプラッター描写は、のちのホラー・カルチャーに絶大な影響を与えた。当時、人気に乗じたコミック誌が次々刊行され、暴力表現はエスカレート。精神分析医フレデリック・ワーサムが「悪書」と糾弾し、1954年にコミック・コード(倫理規定)が制定。内容は規制され、高騰し入手困難に。

 少年時代にECコミックの雑誌を読み耽ったジョージ・A・ロメロは、映画『ボイルド・エンジェルズ』の中で「アンダーグラウンドで購入しなければならなくなった。ブツはどこで入手できる? みたいな感じだったよ」と話す。世間には叩かれたが、スティーヴン・キングは勧善懲悪の精神が息づくと語る。「(ECコミックは)善の力によって悪は罰せられるといったロマンチックな考え方の断末魔の吐息なんだ」(『スティーヴン・キング論集成:アメリカの悪夢と超現実的光景』)。二人がタッグを組んだ『クリープショー』は、ホラーコミックへの鎮魂歌なのだ。

左がジョージ・A・ロメロ。右がスティーブン・キング。
©︎Everett Collection/アフロ
クリープショー
ジョージ・A・ロメロ/1982年/アメリカ/120分
ECコミックを題材に、スティーヴン・キングが脚本、ロメロが監督を務めたオムニバス作品。キングは第2話に主演し、プロローグには息子ジョー・ヒルを起用。ジョーは特殊メイクのトム・サヴィーニの仕事を見てホラーの道を志した。Blu-ray¥3,300(復刻シネマライブラリー)
©2019 Horror Anthology Series, Inc. All rights reserved.

インフォメーション

CREEPSHOW/クリープショー

『ウォーキング・デッド』監督のグレッグ・ニコテロが製作総指揮を手掛けたTVシリーズがHuluで配信中。原作にキング&ジョー親子、監督にトム・サヴィーニが参加。キャスト陣も豪華。

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