ライフスタイル
サラダとパスタ。野菜が主役の料理を自分の手で作る。
今日から僕は、ヘルシーボーイ。
2024年6月29日
食べるということは日々の行為。だから、体にいい食品を選んで買うだけじゃなく、自炊も習慣にしたい。なんて考えたのはいいものの、こちとら底辺料理人。ヘルシーといえば野菜を食べたいが、毎日レタスにドレッシングでは芸がないし、かといって手の込んだものはハードルが高く、作るものに悩む。まずはせめて一食分、これなら!と胸を張って言えるレパートリーを持てたらいいのだけど……というわけで会いに行ったのが、材料もレシピもシンプルなのに、しっかりとおいしい料理の数々を発信している料理家の渡辺康啓さん。「ヘルシーで簡単で、おいしいのはもちろん、夏っぽくて気の利いた料理を教えてください!」とわがままなリクエストをしてみたところ、考えてくれたのがこの2皿だった。
アボカドときゅうりのスパイスサラダ
まずはサラダ。といっても渡辺さんのものはいわゆるな葉物野菜を使わない。クリーミーなアボカドと瑞々しいきゅうり、香り高いクミンシードにパクチー、スペアミントと、食べ進めるたびにいろんな食感と香りが立つ、清涼感のある一捻り利いた〝グリーンサラダ〟だ。仕上げの「クレオールスパイスミックス」は、お馴染みのパンケーキ店『APOC』のオリジナルで、渡辺さんのお店でも購入可能なもの。9種類のスパイスとハーブをブレンドしていて、これがピリッといい仕事。夏のスパイス欲はカレーだけでなく、サラダでも満たせるのだ。
– 材料(1人分)-
・アボカド 2個
・きゅうり 1本
・クミンシード 小さじ1/2
・パクチー 1枝分
・スペアミント 少々
・レモン 1/2個
・クレオールスパイスミックス 適量
・オリーブ油 小さじ1
・塩 適量
– 作り方 –
1. アボカドは縦半分にぐるりと一周包丁を入れて半分に割り、種と皮を取り除いて一口大に切る。きゅうりは包丁の背を使って表面のイボをこそぐ。さらに両端を切り落とし、一口大の乱切りに。この2つをボウルに合わせて入れておく。
2. クミンシードとオリーブ油を小鍋に入れ、弱火にかける。シュワシュワと小さな泡が立ち、香りが立ってきたら火を止め、粗熱を取る。
3. パクチーとスペアミントは粗みじん切りにして、1のボウルに合わせる。
4. クミンシードを油ごとボウルに加え、レモンを搾る。
5. 塩とオリーブ油(分量外)を回し入れ、ゴムベラで優しく混ぜて味を調える。器に盛り、クレオールスパイスミックスをふりかける。
ピーマンのスパゲティ
2品目は「ピーマンのスパゲティ」。作り方は麺の湯切りと同時にその茹で汁をピーマンにかけて熱を通し、調味料と和えるだけ、って面倒な日のそうめん感覚で作れてしまう!味の決め手のコラトゥーラは、イタリアの魚醤。渡辺さんはバレーナ社のものを使っていたのだが、これが加わるだけで味の奥行きが別次元。ピーマンの甘味も手伝い、具に肉や魚介がなくても贅沢な味がした。というわけで〝ほぼビーガン〟な2品が、30分ほどで完成!どちらも味はお店レベルなのに簡単すぎじゃない!?これなら実際に作れるし、自己肯定感まで上がりそう。なんて思ったら、まさに渡辺さんが考える自炊の楽しさもそこにあるという。
– 材料(1人分)-
・緑ピーマン 1/2個
・赤パプリカ 1/6個
・黄色パプリカ 1/6個
・スパゲティ 100g
・コラトゥーラ 小さじ1
・オリーブ油 小さじ2
– 作り方 –
1. ピーマンとパプリカは縦半分に切り、ヘタと種、ワタを取り除く。さらに細かく刻み、ザルに入れておく。
2. フライパンにお湯を沸かし、塩適量を入れてうっすら塩味を感じるくらいに味をつける。
3. スパゲティを入れ、時々混ぜながら歯応えが残る程度に茹でる。
4. 刻んだピーマンを入れたザルに向かってスパゲティを茹でこぼす。
5. 水気を切ってボウルに入れ、コラトゥーラ、オリーブ油を回しかける。ボウルの中でよく和え、器に盛る。
「多くの人は仕事や学校があるから、日々の自炊となると夜ご飯が多いですよね。帰宅して自分が作ったものを食べて、冷蔵庫の中が片付いていく。するとその一日にけじめがついた気がする。自炊は体を労るだけでなく、ちょっとの達成感を味わえる、心にもヘルシーな行為だと思うんです」。ここで頭をよぎるのが食材が余る問題だが、それにも渡辺さんからアドバイス。「今回のサラダが余ったら、お豆腐にのせて冷や奴にしてもいい。お豆腐はアレンジに便利ですよ。食材が残った場合はなんでも受け止めてくれるお味噌汁にするのもおすすめです」。お、明日は早速ピーマンのお味噌汁でも作ってみようかな。
プロフィール

渡辺康啓
料理家
わたなべ・やすひろ|〈COMME des GARÇONS〉のスタッフを経て、料理家に。料理教室や著書、自身のYouTubeチャンネル『せせチャンネル』などで、気取らずにおいしいレシピを発信する。近著は『毎日食べる。家で、ひとりで。』(KTC中央出版)。2024年には食材や調理道具の販売だけでなく、料理教室やイベントが開催される自身のショップ『Cibo e Gino』をオープン。営業情報はInstagramにて。
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