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創業35年、この地で生まれ育った姉妹が営むアメリカンパイの喫茶店『ミッキーズカフェ』。

東京五十音散策 春日②

2024年3月30日

photo: Hiroshi Nakamura
text: Eri Machida
edit: Toromatsu

東京都内の駅名を「あ」から五十音順に選出し、その駅の気になる店やスポットなどを
ぶらりと周っていく連載企画「東京五十音散策」。「か」は蒲田に続き、春日へ。

 春日には、茶器のお店『いとうや商店』や、落花生や豆菓子などを販売する『石井いり豆店』など、100年以上続く老舗もちらほらあるが、創業30年〜40年のお店も多く、地元の方々が流行よりも変わらない日常を大切にしているのが感じとれる。

 創業35年になる、アメリカンパイがメインの喫茶店『ミッキーズカフェ』もそのひとつ。店主の西久保美喜さんはこの地で生まれ育ち、新卒2年目のときに会社を辞め、お店をオープン。現在は姉妹で店頭に立っている。

 名物のチェリーパイやアップルパイの他に、大きくカットされたショートケーキやシフォンケーキ、ティラミスなど、毎日10〜15種類用意しており、持ち帰り用にはクッキーやバナナケーキ、コーンブレッドやフィナンシェなど、焼き菓子のバリエーションも20種類以上ある。手作りだから甘さも控えているし、「テレビを見ながら食べて、気づいたら2つも食べちゃった」そんな気持ちで日常のおやつとしてカジュアルに食べてほしいそう。

 トロフィーやメダルなどを扱う徽章屋をお父さんが営んでいた場所で、急にお店を始めることになったため、趣味で作っていたパイやケーキしか思いつかなかった、と美喜さん。特にやめる理由もないから続けていると話すけれど、創業当時から変わらず毎日何種類ものケーキを用意するのは好きだからこそなせる業。姉妹の笑顔と変わらない味は地元でなくても通いたくなる安心感があって、お店が長く愛される秘密がわかった気がした。

チェリーパイ¥480 プラス380円で好きな飲み物とセットにすることが可能。1ホールにチェリーの缶詰を1kgほど使用している。

1996年に発売されたHanako396号(南北線が四ツ谷に開通したということで、四ツ谷〜駒込のエリアガイド)に掲載されていた。クリームの乗せ方と同様、レシピもほとんど変えていない。このときから「あんずタルト」は定番人気。

お店が小石川にあったときのショーケースと外観。

飾られているフェデラーの絵やマスキングテープで作った猫はお姉さん作。お店の外にある黒板の絵やクッキーの上のデコレーションも描いている。

インフォメーション

創業35年、この地で生まれ育った姉妹が営むアメリカンパイの喫茶店『ミッキーズカフェ』。

ミッキーズカフェ

店名は西久保さんの名前「みき」が由来。小石川で28年営業し、現在の場所で8年目を迎える。移転後はメニューをケーキのみに絞ろうとしていたが、常連さんの要望に応えてランチも作ることに。カレーライスと明太ピラフ、チーズトースト、トーストが食べられる。家でも店内と同じ楽しみ方ができるよう、テイクアウトの際にもケーキに添えるクリームを付けてくれる。もらいものや気になる食材を使った期間限定メニューも時々登場。元々限定だった「レモンパイ」は人気で、よく作るラインナップに仲間入りした。

◯東京都文京区本郷4-20-14 ☎︎03・3816・4116 11:00〜18:30 土休

Instagram
https://www.instagram.com/cafe_mickys/