ライフスタイル
暗い季節も明るく過ごせる部屋。
in STOCKHOLM
2024年2月27日
世界のかっこいい部屋と、その秘密。
photo: Markus Karlsson Frost
illustration: Midori Komatsu
coordination: Miki Osako
2024年3月 923号初出
Levi Di Marco/〈Hem〉Brand Director
レヴィ・ディ・マルコの部屋。
デザイナーズ家具と、セカンドハンドショップで見つけた名もなき小物たちを楽しく増やしていく。
今、スウェーデンでとても勢いのあるインテリアブランド〈Hem〉。フェイ・トゥーグッドがデザインした超個性的なパフィ・ラウンジチェアを知っている人もいるかもしれないが、そのブランドディレクターを務めるのが、今まさにソファでくつろいでいるレヴィ・ディ・マルコだ。
部屋にはやっぱり〈Hem〉の家具や、デザインの面白いヴィンテージ家具がたくさん置かれているわけだけど、ストックホルムの冬は日照時間がとても短く、ずっと暗い。せっかくいい家具を置いても、なんとなく気分が上がらない空間になってしまう。そこでレヴィは、イエローやピンク、ホワイトなど明るい色の小物を部屋の各所に置き、また所々に、大きすぎるクリップのオブジェ、大きすぎる有刺鉄線のアート、そして大きすぎるモンステラだったりと、ユーモアのあるものを飾って明るく楽しい部屋作りをしている。
②イギリスのアーティスト「Soft baroque」のスツール
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突然、壁にパンツをかけている? と思ったら’70年代のアーティストの作品で、木製のトラウザーズのオブジェだった。大のお気に入りで、もし家が火事になったらこれを抱えて逃げる予定。バターを積み重ねたようなデザインのスツールと、イエローのスツール(イギリスのアーティスト、Soft baroqueが手掛けたもの)でポップな一角に。
「ほんとにネットオークションやeBayはよく見ているよ。ものを探すのが好きなんだよね。靴の形をしたペンケースとか、最高じゃない?」
なるほどスマホを見ているのはゲーム中だからじゃなくて、ネットショッピング中だったのか。壁にかかったフェイクのトラウザーズも、ユーモアのない人間の部屋には絶対に飾られることのない種類のオブジェだ。楽しい部屋作りは、冬が暗いスウェーデンの住人に学べるのだね。
②〈Memphis Milano〉のArash and Kerryがデザインしたビッグクリップ
③靴の形をしたペンケース
④〈Pukeberg glass works〉のウェーブ型キャンドルスタンド
⑤エットレ・ソットサスのベース
⑥アキッレ・カスティリオーニが手掛けた〈Flos〉の照明
⑦〈Bi-Rite Studios〉が手掛けた「Tubo」ブックエンド
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〈カッシーナ〉のマラルンガ・ソファのあたりは、テレビを見ながら過ごしたり、ゲストが来たときはここでくつろぐ。〈Hem〉のマックス・ラムが手掛けたスツール、フェイ・トゥーグッドが手掛けたパフィ・ラウンジチェアはゲスト用。巨大化したクリップや、靴の形をしたペンケースなどはだいたいセカンドハンドショップで見つけたもの。
レヴィの明るい部屋作りの工夫は、まだまだ現在進行中。天井のライトだけでは暗いため、テーブルランプをはじめ、いろんなところに照明器具を置いて暗い冬を明るく乗り切るのはもちろん、一番日当たりのいいキッチンにはミニテーブルを設置して、エスプレッソを飲みながらできるだけ日の光を浴びて過ごす。バスルームだって天井をイエローに塗り替えた。リノベーション中だったため撮影ができなかったのだけど、トイレもこれから明るくなる。家具にだけ頼った部屋作りはつまんないんだなって、レヴィの部屋を見ていたく納得したのだった。
②アキッレ・カスティリオーニが手掛けた〈Flos〉の照明
③スウェーデンのアーティスト、オスカル・ロイテスヴァードのリトグラフ
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寝室向かいのベンチはなんと自作。窓辺に大理石が使われているので、合わせて大理石にして、脚をイエローにペイントした力作。ベッドルームにベンチを置くアイデアはぜひ盗みたい。
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寝室のグリーンもでかいね! ’70~’80年代のニューヨークにあった新聞社のオフィスのイメージでこの空間は作った。
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白く品のいいキャビネットは医療用のものをオークションで購入した後、波ガラスに替えたこだわりよう。
This Is How To Live In My Room.
“キッチンでも太陽の光をなるべく味わえるよう、工夫して過ごしているんだ”
01. 母がイタリア人。料理にはうるさいよ。
02. 朝は必ずエスプレッソかカプチーノ。
03. 飾った絵画もイタリアン。
04. 日照時間の短い冬はキッチンの窓際で。
Space: 2LDK 63㎡
ストックホルムのクリエイターが多く住むエリアにあるアパートの3階。開放感のある3mの天井と、フィッシュボーンのフローリングが気に入り、2019年から住んでいる。
教えてくれた人
Levi Di Marco
〈Hem〉Brand Director
レヴィ・ディ・マルコ|1991年生まれ。スウェーデンのインテリアブランド〈Hem〉のブランドディレクターを若くして務めている。
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