民藝の世界に魅了されて以来、学校のように通う上町の『工芸喜頓』で、民藝の器を花器に見立て花を生けているのを何度も見た。民藝のどっしりした手仕事の渋みとは反対の、かわいらしい草花が挿さるだけでなんと美しくモダンになるのだろう。「民藝の器は素材が土なので、植物との相性がいいんです」という店主の石原さんいわく、野草や珍しい季節の切り花を1種類に絞って2~4本ほど生けるのがおすすめだそう。ここでポイントは、茎と長さ。「流れるようなカーブのある茎を選び、器の高さの2倍の長さで整えるとバランスがいいですよ」とのこと。花器も生け方もこれでバッチリ。あとは、近所で贔屓のお花屋さんを見つけようっと。
小鹿田焼 坂本工窯のピッチャー


カンナカガラス工房 村松学の筆立て

西川孝次吹きガラス工房の鉄花瓶

平山元康の飴釉壺

教えてくれた人

石原文子さん
『工芸喜頓』店主。『工芸喜頓』は以前ファッション業界にいた石原さんが、クラフト好きが高じて始めた民藝の器のお店。花も大好きで、「花屋で選んでいるときから、似合う器が頭に思い浮かぶ」とのこと。