ライフスタイル

世界の部屋。/LONDON

2023年2月25日

photo: Jack Orton
illustration: Alessandro Bioletti
coordination: Keita Hiraoka
edit: Hiroko Yabuki
2023年3月 911号初出

使って、日々勉強。家具の目利きの実験場。

Abel Sloane
アベル・スローン|1991年、南ロンドン生まれ。2012年に公私のパートナー、ルビィ・ウッドハウスと共に〈Abel Sloane
1934〉(@abelsloane1934)を設立。ライターとしても活動。

家ではメールやリサーチなど仕事もするからBGMは大事。家具に関する調べ物は〈テクニクス〉のレコードプレーヤーで、ジャズやレゲエを流しながらするんだって。

 20世紀のファニチャーを扱うディーラーであり、コンサルティングや空間プロデュースも請け負う、いわば“家具の仕事人”のアベル。家はいい意味で公私混同で、販売予定の家具を試しに使ってみたり、その逆も然り。「生活を通して勉強してるんだ。一番影響を受けたデザイナーはヘーリット・リートフェルト。アアルトにも通じるけれど、素材をシンプルに使った無駄のないデザインと、美しい経年変化を楽しめる耐久性にグッとくる。リートフェルトのイージーチェアでお茶を飲む朝のひとときは、僕の日常に欠かせないんだ」。日本のデザインにも造詣が深く、ジョージ・ナカシマやイサム・ノグチも敬愛している。竹や和紙をデザインに落とし込む工程に興味があるんだって。

-LIVING & DINING ROOM-

チェコ人デザイナー、Jan VanekとJaroslav Gruntによる1920年代のソファがリビングの主役。壁の絵は年代不明、おそらく学生の作。名前だけでモノを選ばないのがアベル流なのだ。
テーブルはパートナーの実家から譲り受けた。椅子は1930年代の〈アルテック〉と〈ウィリアム・モリス〉が3脚ずつ。自ら設置した本棚には世界の建築から日本の染織や生け花の本も。

KITCHEN

キッチンは必要なものを、見やすく収納。壁には〈アルテック〉のヴィンテージラックを取り付けた。
ツールは“掛け”と“立て”を併用。「土佐一」の印が渋い包丁は九州を旅したときに見つけたもの。〈クリスタセヤ〉のボウルにフルーツを、ブライトンで買ったヴィンテージのグラスジャーにはオートミールを入れている。

-BED ROOM-

ベッドリネンは〈TEKLA〉。窓際にはオーストリア人デザイナー、ヨーゼフ・ホフマンによる1907年の曲木チェアが。
パインチェアは1970年代の学生作。