LIFESTYLE

世界の部屋から #3 / TOKYO

理想の空間を求めて訪ねた世界8都市11部屋。第三回は東京、吉祥寺へ!

2021.04.08(Thu)

photo: Shinsaku Yasujima
illustration: Adrian Hogan
text: Satoshi Taguchi
2021年3月 887号初出

ただ好きなものと、やりたいことだけを。

Minto Shibuya
Member for TOOLBOX
渋谷南人|1987年、東京都生まれ。写真やデザイン、インテリアの買い付けなどを経て、〈toolbox〉に入社。住宅やオフィスの内装設計や施工を担当している。BBQラバー。

 ジャンルレス。実際そうなのだが、あくまで結果論なのである。例えばリビングの仕事場にはクッカプーロのチェアと天板をカスタムした〈ハーマンミラー〉。ダイニングテーブルは〈マッキントッシュ〉で、6脚の椅子は4種でテイストもまちまち。さらに玄関脇のアトリエには障子と中国や日本の古箪笥もあり、LDKの入り口では120年前に作られた重厚なオークの扉が異彩を放つ。などなどなど。「デザイナーが著名かどうかに興味はなくて。よく知られていなくても、良いと思えるものはありますから。大切にしたのは、奇抜さよりも色や素材のバランス。ずっと使ってきた家具が際立つ内装にしたくて」。床材がリノリウムだったり、配管を壁に沿わせて天井を高くしたり、窓の建具を隠したり。内装を仕事にする渋谷さんならではのアイデアも至る所に。自由で好き放題。それを気取らず追求しただけ。テイストもジャンルも気にしないから、ますます自分たちにぴったりになるのだった。

Living Room

Dining Space

キッチンとダイニングのスペース。窓周りがスッキリしているのは。サッシやレールや框など建具を新設した壁で隠しているため。バルコニーへの出入り扉は、フランスのアパルトマンで使われていた、グレモン錠付きのガラス窓。キッチンの造作家具は設計した。

Workspace

Bedroom

ベッドルームはがらりと雰囲気が変わった。床はネイビーのカーペットで、防音壁のような曲面加工されたウッドパネル(〈toolbox〉で販売予定)を張った壁もあり、昔のアメリカあたりのスタジオみたいなムードも。サイドテーブルは、壁に付けるタイプの引き出し棚を使っている。

Toilet

家具同様、壁もいろんなタイプがこの部屋にはある。キレイにアールを描く廊下の壁は、特殊な左官工事によるもの(渋谷さんの念願だったとか)。ただ均一なのではなく、程よくムラがあるのにスベスベ。職人の手仕事ならではの迫力がある。ルーバードアの中にあるのはトイレだ。

Atelier

House layout

AREA 東京・吉祥寺
SPACE 1SLDK 78.5㎡
REMARKS 築43年のマンションをリノベート。部屋は最上階(6階)南向きの角部屋で、眺め、日当たり、風通しは良好。L字のバルコニーも広い。夫婦ふたり暮らし。

photo: Shinsaku Yasujima
illustration: Adrian Hogan
text: Satoshi Taguchi
2021年3月 887号初出

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