LIFESTYLE

世界の部屋から #1 / NEW YORK

理想の空間を求めて訪ねた世界8都市11部屋。まずはニューヨークのチャイナタウンから! 

2021.03.30(Tue)

photo: Omi Tanaka
illustration: Adrian Hogan
text: Momoko Ikeda
2021年3月 887号初出

チャイナタウンのど真ん中、扉を開ければ異空間が広がる。

Aaron Aujla <Green River Project> Founder/Designer
エーロン・アジュラ|1986年、カナダ生まれ。インテリアデザインを手掛ける〈Green River Project〉のファウンダーの一人。
Emily Adams Bode<BODE> Designer
エミリー・アダムズ・ボーディ|1989年、アトランタ生まれ。ファッションブランド〈BODE〉デザイナー。2人は婚約中で、仕事でもタッグを組むことが多く、公私共にパートナー。最近子犬のマンデーをファミリーに迎え入れたばかり。
「クリーンなデザインには飽きちゃって、白壁を塗りつぶすようにした」とエーロンが語るカラフルなリビングは、コーデュロイで作ったカウチや年代物のキルト、民族衣装など、布の使い方が面白い。「ハンドメイドの工芸を讃えながら暮らしてるの」とエミリー。

 ここは山小屋かインドかモロッコか。チャイナタウンの古い手動エレベーターから降り立つと、忙しないマンハッタンにいることを忘れてしまいそうな温もりのある空間に驚く。「普通はインテリアに使わない素材や方法を取り入れるようにしてるんだ」というエーロンとエミリーは、タバコの葉とアジサイでシャンデリアを自作したり、木の壁をコーヒーで染めてみたり、カウチにドローイングを加えたりと、発想がいちいち型破り。そこにエミリーが集めるヴィンテージファブリックが加わって、時代や国を超えた手仕事の味わいが部屋中を包み込んでいる。「キッチンシンクをカバーした布は、19世紀のノルマンディのリネン。歴史家に言われたんだけど、年代物をいい状態で保存したければ倉庫にしまうんじゃなくて、人の暮らしの中に置いたほうがいいんだって」。大事に使われてるモノって、空間の印象を変えちゃうくらいパワフルなんだね。


Kitchen

Dining Room

エーロン手作りの家具が並ぶダイニング。「背もたれ付きの椅子は、エルズワース・ケリーにインスパイアされたんだ。彼の作品はカラフルなものが有名だけど、木目だけの作品もあるんだよ」。大きな抽象画は友達のマット・ケニー作。

Entrance

「部屋がエレベーターと直結しているから玄関となる空間を自作してみたんだ」。扉の横にある仮面は、ヒマラヤンシャーマンのマスク。

Corrdor

「元はガランとした仕切り一つない空間だった」というシンプルなワンルームを3~4か月かけて暮らしやすいように大改造。「キッチンのシンクやコンロも付いてなかったから自分で搬入したんだ。ケープコッドをイメージしたブルーのカウンターも僕の自作だよ」

Bedroom

2人で作った愛犬マンデーのベッド。生地は'60年代のタオル。

House layout

AREA ニューヨーク・チャイナタウン
SPACE 1LDK   93㎡
REMARKS 人気レストランやスケートショップが並ぶチャイナタウンのメインストリートにあるビルの最上階の元ペインティングスタジオ。内装工事に大家が寛容な物件。
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