ライフスタイル

世界の部屋から。 #5/STOCKHOLM

理想の空間を求めて訪ねた世界8都市11部屋。第5回は、ネオン輝くストックホルムの部屋!

2021年4月26日

photo: Markus Karlsson Frost
illustration: Adrian Hogan
coordination: Miki Osako
edit: Hiroko Yabuki
2021年3月 887号初出

I♡カラー! ポップなネオンで気分も上がる。

「家具は手軽さ重視」。窓際に〈IKEA〉のテーブルとソファを置いてリビングに。Hans Frodeによる’80年代のネオンサインに、親から譲り受けたスウェーデン人画家、Helmut Mantelの絵画や自作のオブジェ。ごちゃ混ぜなのにどこか統一感があるから不思議だ。

 ゲーム会社でデザイナーとして働くフィリップの部屋は、僕らが抱く北欧の部屋のイメージを、いい意味で裏切ってくれる。ライトセーバー風からバナナまで、蛍光色のネオンサインに、ヘンテコなオブジェ、日本の合羽橋で買ったという“居酒屋”提灯まで。とにかく色使いに遊び心があり、輝くモノが大好きなのだとか。「子供の頃から明るい色の家具やアートに囲まれて育ったんだ。スウェーデンは、冬場の日照時間が極端に短いから、きっとそうやって元気を補給してきたんだと思う。それに家が色で満ちていると、毎日気分良く過ごせるし、寝起きもいい。シンプルかつミニマルに、ってのが今のインテリアのトレンドだけど、僕は真逆。好きなモノに囲まれて暮らすのが、ハッピーになれる一番の近道だって信じてる。壁も棚も、埋め尽くしたいよ!」。ちなみに主な照明はiPhoneのアプリで調整可能で、色も変えられるのだそう。意外とハイテクなあたりは、さすがだね。

. Living Room .

. Kitchen .

居酒屋提灯がキッチンの絶妙な“ハズし”に。「このカリグラフィーの美しさを見てよ! 僕の一番好きな色、黄色だったのにも運命を感じたよ」

. Bedroom .

居室の壁側にベッドを。「寝そべって、好きなものを眺める時間が最高に幸せ」。電子ピアノは目下練習中。バナナネオンは自らデザイン。

. Toilet .

トイレは清潔感重視。「でも面白みに欠けるのは嫌だから、カラーライトで照らして少しでも盛り上げるようにしてるよ」。自然光が入らないため、ここに飾る植物はすべてフェイクプラントにした。

プロフィール

Filip Thoms 「Mojang Studios」Product Designer

フィリップ・トムス|1990年、スウェーデン・ウメオ生まれ。専門学校でグラフィックデザインを学ぶ。〈H&M〉を経て「Minecraft」で知られる「Mojang Studios」のデザイナーに。

House Layout

AREA ストックホルム・ヴァーサスタン
SPACE 1K   40㎡
REMARKS バーやカフェが立ち並ぶ、ストックホルムの北エリア。両親が所有する1905年築のアパートに、2008年から一人暮らし。将来的には広い家に引っ越す計画も。