世界の部屋から。#4/PARIS
理想の空間を求めて訪ねた世界8都市11部屋。4回目はパリ10区の部屋へ!
2021.04.18(Sun)
photo: Mari Shimmura
illustration: Adrian Hogan
coordination: Masae Takanaka
text: Hiroko Yabuki
2021年3月 887初出
光と石に想いを馳せる、パリのブラジリアン。

Photographer
マルセロ・ゴメス|1978年、ブラジル・サンパウロ生まれ。
『Index Magazine』を経て、写真家マーク・ボスウィックのアシスタントに。昨年パリに移住。Instagram: @marceloagomes
「ずっとヨーロッパに憧れがあった」というマルセロが、15年暮らしたNYからパリに越したのはちょうど1年前。仕切りのないオープンな間取りに慣れた身にリビングや寝室が区切られた家は新鮮だったとか。「窓が大きくて天井が高いのもいい。パリの光はNYよりも暖かみがあってほんのりしてる。谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』じゃないけど、日頃からなるべく照明をつけない派だから、光の入り具合や反射の仕方を日々眺めているよ」。うっとりした様子で話す彼に案内され部屋を覗いてみると、ウェグナーやアアルト、コルビュジエなど、NYから船便で送った錚々たる名作家具に紛れて、いくつも置かれた石が目に入る。聞けば尊敬する美術家、エドムンド・デ・ワールの「収集はその地に根を下ろす最適な方法」という言葉に触発されたとか。「思い出を集めることで、パリにしっかり根を下ろしたい」って、なんだか哲学的だ。
. Living Room .

. Dining Room .

. Work Room .

. Bedroom .


AREA パリ・10区
SPACE 2LDK 85㎡
REMARKS 10区、サン=マルタン運河近くのアールデコ建築のアパートで、家賃は2350ユーロ。情報サイト『leboncoin』で見つけ、天井高と日当たりの良さが決め手だった。