世界の部屋から。 #8 / PARIS
理想の空間を求めて訪ねた世界8都市11部屋。第8回は、棚から寝室までDIYをしながらキャンプを楽しむ、パリの部屋からお届け。
2021.05.11(Tue)
photo: Mari Shimmura
illustration: Adrian Hogan
coordination: Masae Takanaka
text: Hiroko Yabuki
毎日がキャンプな期間限定マイホーム。

Photographer / Video Artist
ジャン・パコム・デデュ|1978年、フランス・ブロア生まれ。10代からスタジオアシスタントとして経験を積み、『Dazed & Confused』で写真家デビュー。現在は広告を中心に手掛ける。
パリのフォトグラファー、パコムが、かつては画家のアトリエだったという今の家に移り住んだのは1年前。SNSで「家求む!」とアピールした結果、運よく巡り合えたが、当時はだだっ広いシンプルなロフト。そこでテーブルや棚、寝室までDIYしながらゆる〜くコーナリング。「2年間の契約だから、期間限定のプロジェクトみたいなもの」と、日々改装を続けている。ちなみにパコム、実は腸詰め職人を目指すほどの料理上手なのだが、そもそもこの家はキッチンなし物件。「でもテーブルの上にカセットコンロを置けば十分事足りるし、アウトドア用のバーナーも使えるから問題ないさ。最低限のモノだけで、キャンプするみたいに身軽に暮らすのって、楽しいよ」。そう言いながら、お気に入りのホウロウ鍋でコトコト煮込む山羊肉は、お世辞抜きでウマい。人って僕らが思う以上に、シンプルに暮らせるんだな。味見の後の満足そうな表情を見て、ふとそんなことを思った。
Exterior

Living Room

Kitchen



Atelier
Bathroom



AREA パリ・13区
SPACE 1ROOM 70㎡
REMARKS 古くは中華系移民、最近はアーティストが多く住むエ リア。1970年代築のビルで、家賃は1100ユーロとパリ中心地としては控えめ。あと1年弱住む予定。