ライフスタイル

世界の部屋。/PARIS

2023年3月14日

シティボーイの部屋 '23


photo: Alexandre Tabaste
coordination: Masae Takanaka
text: Hiroko Yabuki
2023年3月 911号初出

バカンス気分のシックなアパルトマン。

Frédéric Pellenq
フレデリック・ぺランク|1990年、マルセイユ生まれ。パリ・ベルヴィル建築国立学校で学び2016年にスタジオ設立。昨年初個展を開催。『DIPTYQUE京都BAL』の家具も手掛けた。

世界中からオーダーが入る売れっ子のフレデリック。建築家のシャルロット・ペリアンの「身近な素材を使い、洗練されたバランスで作り上げる完璧なセンス」に影響を受けているそう。

 2018年のクラフツマンシップ特集に出てくれたフレデリックが、新居に移ったと聞いてはや1年。リノベしてついに完成した! ということでお邪魔したアパルトマンは、彼が作る家具のイメージそのままだ。「日常生活にもバカンスを」というテーマでスペインからタイルを取り寄せ、壁は明るいベージュにペイント。広葉樹の床材はニスを落とし、マットに仕上げた。こうして出来上がった空間に遊び心を添えるのは、波みたいな曲線を描く自作のソファやオブジェ。そのバランス感覚の絶妙なことときたら! 「南東向きで日当たりも良い。むしろ良すぎて家の中でサングラスが必要なくらい(笑)」。フレデリック流の“海の家”を満喫してるんだね。

BALCONY

リビングと寝室にまたがる日当たり抜群のバルコニーには、テーブルと椅子、レモンとミモザの鉢を置いている。「ここでパリの屋根の煙突を眺めながらコーヒーを飲むと、不思議と心が落ち着くんだ。家の中で特に好きな場所さ」

-BEDROOM-

寝室の壁には仲良しのアーティスト、Alexandre Benjamin Navetに描いてもらった絵が。椅子は自身の最初のコレクション「LODGE」の“Josie”モデル。大好きなデヴィッド・リンチのドラマ『ツイン・ピークス』からインスパイアされたらしい。

-BATHROOM-

バスルームは夏に滞在する南仏の海の家をイメージし、グレーがかった青いタイルをチョイス。コスメやキャンドルは〈ディプティーク〉。花瓶はエットレ・ソットサスのデザインで、ドライになったクリスマス飾りのヤドリギが生けられていた。

-KITCHEN-

リビングの主役はうにょうにょとした背もたれがかわいい自作のソファ。ギャラリー『Kolkhone』から発売したフレデリックのシグネチャーで、張り地は〈クヴァドラ×ラフ・シモンズ〉。フランスの陶芸作家、ロジェ・カプロンのテーブルと組み合わせた。壁にはパートナーが祖父から譲り受けたピカソの版画。「色合わせが美しすぎる。題材が闘牛だから彼は小さい頃、怖くてたまらなかったらしい(笑)」
ダイニングキッチンはリビングからのつながりを意識した。吊り棚を外し、冷蔵庫の外側に扉を付けて隠すことでキッチン感を弱め、色味もベージュ系で統一。テーブルとチェアは〈アルテック〉。「ライトの王様!」と絶賛する〈イサム・ノグチ〉の「AKARI」は背の高いスタンド形で、オーブンの目隠しという役割も兼ねている。