ライフスタイル

【#1】続・家の猫の話。

執筆: ピエール瀧

2023年8月11日

photo & text: Pierre Taki
edit: Yukako Kazuno

家の猫

猫を飼っていると、“イカした家具を買い揃えたりする事”は無謀といえます。

猫にしてみると、ソファーのファブリックなんてのは爪研ぎ素材として最高ランクらしく、我が家でも数々のソファーが昼夜を問わず彼らの爪の餌食となり、裂け散っていきました。

しかし、売り場で出会う家具は魅力的に映るもの。

数年前に遭遇した、電動オットマン付きの革張りソファーの前で思案した我が家は「NHKで放送している作家の家の猫のドキュメンタリー番組に出てくる100万近くするチェアには、いつも傷ひとつ付いてない。理由は革だからじゃね?」と熱に浮かされた謎結論を無邪気に導き出し、即購入。物欲って怖いね。

納品の日。リビングに鎮座したおニューの革張りソファーに皆でうっとりしている最中、ソファーの向こう側からバリッ! バリッ! と聞き慣れた恐怖の音が。急いで確認すると、年長猫のコンブが「コレ新しくていいねぇ」なんつって秒で爪を研いでいました。衝撃。我が家でソファーが無傷でいた時間、およそ2分弱。

今では毛布をかけて対処していますが、それでも時折毛布の隙間からバリバリと気持ちよさそうな音が聞こえてきます。作家先生の家は、なんで高いソファーが無事でいられるのかマジで謎!

プロフィール

ピエール瀧

ぴえーる・たき | 1967年、静岡県出身。1989年に石野卓球らと電気グルーヴを結成。道行く人に「あなたのオススメは?」と尋ね、その返答の通りに旅をするYouTube番組『YOUR RECOMMENDATIONS』が好評配信中。