カルチャー
そのレコード、聴いてみたいな。Vol.2
『Bar ビートカフェ』マスコットボーイ・Katoman
2023年5月24日
学校や会社に馴染めないときは、
このへんを聴いてみよう。
人生が変わるかもしれないよ。
OWNER

Katoman
かとまん|’90年代初頭からラジオ番組制作、音楽ディストリビューター勤務、レコードショップ店長などを経験。自身の音楽エージェンシー「Dotlinecircle」では、バトルス、アルバム・リーフ、ロカストなどの音源リリース、ライブ・イベント企画を手掛けてきた。渋谷の『Barビートカフェ』では東京・渋谷発信の“Good Vibes”を世界に届ける。
最近、若い子がハードコアを気にしてるっていうけど、自分が若い頃に買って、今でも大事に思っているのは、マイナー・スレットの『アウト・オブ・ステップ』だね。特にジャケットの、白羊の群れから抜け出した黒羊はまさに「交われない俺たち」のように思えて、いまだに置き換えている自分がいる。それくらい人生を変えたバンドだし、アルバムカバーだよね。これを見て、「この黒羊は自分じゃね?」と思った人がハードコアになっていくというか。
今回選んだ4つはルーツと言えるバンドの音源だから、悩める10代・20代にはとにかくまず聴いてみてほしいところだね。別にサブスクでもなんでもいいと思うよ。ただ、レコードを買うっていうのは、その音楽を自分の心に刻む行為だよね。この前、「ディスコード・レコード」の初期にリリースされた6枚の7インチを40年ぶりの再プレス、コンパイルしたボックスセットをオーダーしたんだけど、当初アナウンスされてなかったお宝が入っていて、「ウォー、ヤバ!」って心が震えたよ。
Point of view ハードコア

OUT OF STEP
ARTIST MINOR THREAT
RELEASED 1983
COUNTRY USA
酒にタバコ、ドラッグ、フリーセックス。欲望にまみれたパンク少年たちに、SxE(上記の行為が一切禁止)という思想を啓蒙した、ワシントンD.C.のハードコアバンド、マイナー・スレットが出した’83年の作品。「ジャケットは、左のバッド・ブレインズのアルバム『Banned In D.C.』のカバーを撮った写真家のシンシア・コノリーのドローイングなんだ。彼女が世に出したアートワークはこの1枚しかないっていうのもヤバい。眺めているだけでも人生が変わる一枚だよね」

ROCK FOR LIGHT
ARTIST BAD BRAINS
RELEASED 1983
COUNTRY USA
ブラックでラスタ。なのにパンク。ボブ・マーリーをハードコアに置き換えたような、ワシントンD.C.で名を上げたバンドの2ndアルバム。「リリース40周年! もちろんオリジナルのアートワークの再発が手に入れやすくなってるからゲットしてほしいけど、ちょっとここでは変化球で。昨年リリースされた、パンクやハードコアの名作ジャケを手掛けてきたジョン・イェーツによる『パンクノート』版(ジャズの名門『ブルーノート』風にリデザインしたもの)を紹介したいかな」

HONEY BUBBLE
ARTIST TAR BABIES
RELEASED 1989
COUNTRY USA
ハードコアで忘れちゃならぬ西海岸の伝説、ブラック・フラッグ。そして彼らが運営していた「SSTレコード」は、あのソニック・ユースの1stもここだから、実は音楽性もにぎやか。「’80年代のスケートビデオではBGMの常連だったウィスコンシン州のタールベイビーズもSST所属。初期の2枚目まではハードコアだったんだけど、この3枚目のアルバムではオーネット・コールマンみたいな激速ファンクジャズになるんだよね。ここにはやりたいことを出し切るハードコアの美学みたいなものがあると思う」

FIRST SIX DISCHORD RECORDS
ARTIST VARIOUS ARTISTS
RELEASED 2022
COUNTRY USA
マイナー・スレットのイアン・マッケイとジェフ・ネルソンが立ち上げたワシントンD.C.のレーベル「ディスコード・レコード」。その200番は、最初期にリリースされたティーン・アイドルズやS.O.A(ヘンリー・ロリンズのバンド!)、マイナー・スレットにガヴァメント・イシュー、ユース・ブリゲイドの復刻7インチが入ったプリオーダーオンリーのボックスセット。「何がヤバいって、THE SLINKEES(ティーン・アイドルズの前身)のデモテープが7インチで入ってること。マジで買ってよかった」
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