
川辺で履くために発明されたものだけに、レインシューズにもいい。
モカシンブーツ¥55,000(ラッセルモカシン/エイアンドエフ☎03·3209·7575)、ジャケット「ビューフォート」¥61,600(バブアー/ビショップ☎03·5775·3266)、カシミヤ素材のタートルネックニット¥49,500(コンテンポ/ヤエカ ホーム ストア☎03·6277·1371)、オーバーダイTシャツ¥9,900(C.E: www.cavem
pt.com)、カシミヤ素材のニットパンツ¥93,500(ボーディ/アルファ PR☎03·5413·3546)
Easymoc
こちらは昨年始まったばかりのメイン州のモカシンブランド〈イージーモック〉。メイド・イン・メインのプライドを守る一方で、デザインはかつてなく挑戦的。スリッパみたいなモカシンなんて見たことある?¥49,500(メイデン・カンパニー☎03·5410·9777)MainSole
多くの革靴メーカーのハンドソーンシューズを何世代にもわたって手掛けてきた〈メインソール〉。メイン州に伝わるモカシン製法の火を絶やさぬようにと、革の切り出しから箱に詰める作業まで一貫して職人が行う。その見た目どおり、柔らかく気品たっぷりな履き心地がたまらない。スリーアイレットボートシュー¥43,780、キャンプモカシン¥43,780(ともにポスト78☎03·6459·5855)Gokey
1850年創業のハンティングブーツブランド〈ゴーキー〉。フライフィッシャーの聖地『オービス』にも置かれる本格派で、いまだにカスタムオーダーしか受け付けない頑固一徹系。ワックスを塗り込んだブルハイドレザーのアッパーも風格たっぷりね。¥69,300(エム・エス・ティー)
Visvim
〈ビズビム〉が創業以来作り続けているモカシンが「FBT」。形は変えずに年々、素材をアップデートしていてソールの履き心地もアップ。¥116,600(ビズビム/F.I.L. TOKYO ☎03·5778·3259)、ソックス¥3,960(パンセレラ/真下商事☎03·6412·7081)Quoddy Trail Moccasin
1900年代初頭から〈L.L.Bean〉のモカシンを手掛けてきた由緒正しきメイン州のメーカー。こちらは’70年代にヒットしたリングブーツ。一枚革の古き良き作りで、革のベルトを引っ張ってフィット感を調節する。¥100,100(エム・エス・ティー☎03·5159·6072)Russell Moccasin
もうひとつラッセルを。こちらは「スポーティング クレー チャッカー」。その名のとおり、クレー射撃用に作られた代表作だ。ラッセル製法と呼ばれる、革を2枚も重ねた堅牢なアッパーが自慢で、雨の日も問題なし。¥113,300(エム・エス・ティー)
モカシン、モカシンいうけれど、形はこんなに色々ある。だけど実はみんなルーツは一緒。数百年も前、ネイティブアメリカンが履いていた一枚の革で足をすっぽりと包み込んだ袋状の靴がそれだ。その原型に最も近いのが〈ビズビム〉の「FBT」である。時はたち、アメリカ国内に派生していったレザーのアッパーをU字型にモカ縫いしたシューズはモカシンの名で親しまれるようになっていき、今回集めた中だと、メイン州では別荘地のリゾート用として発展したキャンプ&ボートモカシン系(〈イージーモック〉と〈メインソール〉)、森林伐採用のワークブーツからハンティングシューズに進化したワーク系(〈ラッセルモカシン〉と〈ゴーキー〉)にざっくり分けられる。うーん、どっちも素敵。汚れても格好よさそうなベージュスエードや何年も履き古したような表革の赤茶などなど、大自然を連想させる風合いたっぷりな顔つきが最高だし、どれも腕利きの職人によるハンドソーン第一主義を貫いているから足を入れたときのフィット感も堪らないのだ。
ただ、残念なことにアメリカのモカシンメーカーの数は年々減る一方。昔履いていた〈アローモカシン〉も、閉業してしまっていた。だから、アメリカの伝統を応援する気持ちで履いてみよう。ちょっと値は張るけれど、魂を買うと思えば、高くない。