ファッション

古着のABC。- Vol.3 –

[B] Bari Bari Wallet/マジックテープの財布について。

2021年4月26日

text: Toromatsu
design: Aiko Koike
movie & edit: Yu Kokubu

バリバリ財布

ari ari Wallet

バリバリ財布
バリバリ財布

<ハワイアンプロデザインズ>のバリバリ財布。

バリバリ財布
バリバリ財布

<ライトニングボルト>のバリバリ財布。

“Bari Bari!”というナイロンウォレットを開くマジックテープの音を聞くと、人によっては子どものときに使っていた記憶が蘇ったり、昨日友だちとスケボーをしたときのコンビニを思い出したりするかもしれないけど、僕(トロピカル松村)の場合はいつも甘酸っぱい。

 通称“バリバリ財布”は、1977年にハワイ生まれの日系4世ロバート・キヨサキさんが作ったのが最初と言われているが、南カリフォルニアのレインボー・オブ・カリフォルニア社が同年に作っていたりもするから、始まりの真相はわからない。はっきり言えることは今ではスケーターもハイカーも棋士の藤井聡太さんも使っているものが、オーシャンサイドで誕生してサーファーに愛されていたってこと! 実際僕も濡れた手で自動販売機のジュースを買うのも気にならない仕様や、柔らかいからバックポケットに入れたまま座ってもストレスを感じないところが気に入っている。

 これだけ潮っぽさが詰まっているのに甘酸っぱいのは、過去にミュージックバーでカッコつけて女性に一杯おごろうとしたとき「サイフ~!」と、笑われたのが原因だ。僕はあの日以来、財布を開きあの音を奏でるたび、どうも女性の視線を気にするようになってしまった。でも考えてみるとこんな感覚、レザー製の財布ではそう簡単に味わえるモノではないと思わないか? 誰もが懐かしい音楽を聴くと情景を思い出せるように、音があるからこそ記憶として残るのだ。

 だから僕は、安いのに思い出も貯めてくれるこの有能な財布を誰に何と言われようと使う。ただやっぱり、“Bari Bari!”の音とともに都度よぎる女子ウケの不安だけは、残らず消え去ってほしいのだけど。

潮の香りがするサーフブランドのものなのに、なぜか音は甘酸っぱい。