カルチャー

【#1】「黒田節」〜パイプオルガン・クンビア・乾杯ロック〜

2021年4月9日

民謡クルセイダーズというバンドでギターを弾いている、田中克海(タナカカツミ)と申します。
東京の西側にある福生という米軍の横田基地がある街で、昔は米兵さんが住んでいた、米軍ハウスという築70年くらいの平家を友達たちとシェアし始めたのが20年前。
いろんなヤツらが出たり入ったりしながら楽しく過ごして、気がつけば今年、僕は50歳になり、そしてweb版POPEYEでのミニコラムのお話しをいただくという大変光栄なお話しが舞い込んできました。
“TOWN TALK/世間話”ですから、肩の力の抜けた感じがちょうど良かろうこのミニコラム。
そこに「50年の人生をブッ込む」くらいの勢いで悩み、飲みの席で自分語りを繰り広げ、ウザ絡みをして何かヒントを掴もうとするもついに1文字も出てこないまま、締め切りの朝を迎えました。
その時、すっかり春めいた爽やかな空から天の声が。「webだから、文字じゃなくてもOK。」

即座にゲットしたばかりの80sカシオトーンの電子ギターを手に取りました。
これ一台でリズムを鳴らして一人でバンドサウンドを再現出来るこの夢の名機を使い、米軍ハウスの色々な場所でエレクトリック民謡を鳴り響かせる自らの姿を、映像として皆様にお届けするに至りました。

『民謡・イン・ダ・米軍ハウス』
4回連載の一曲目は、3LDKの米軍ハウスの中でも、僕が事務所として使っている一番小さな4畳ほどのベッドルームから、日本屈指の“酒の席”ソング、福岡県民謡「黒田節」をパイプオルガン・クンビア・ロックてな調子でやってみました。
レイドバック感この上ない絵ではありますが、どうぞお楽しみください。

プロフィール

田中克海(民謡クルセイダーズ)

たなか・かつみ|1971年、岡山県生まれ。かつて戦後間もない頃、偉大なる先達――東京キューバンボーイズやノーチェクバーナが大志を抱き試みた日本民謡とラテン・リズムの融合を21世紀に再生させるバンド、民謡クルセイダーズのリーダー/ギタリスト。東京西部、米軍横田基地のある街、福生在住の田中克海と民謡歌手フレディ塚本の二人を中心に2011年に結成された民謡クルセイダーズ。失われた音楽「日本民謡」をもう一度「民の歌」として蘇らせるため、カリビアン、ラテン、アフロ、アジアなど様々なダンス・ミュージックとの融合を試み、メンバー・チェンジを繰り返しながら、2016年、現在の10人編成となる。2017年12月にファースト・アルバム『エコーズ・オブ・ジャパン』をリリース。フジロックフェスティバルや東京JAZZ、Peter Barakan’s LIVE MAGIC!など人気フェス出演を果たす。2019年4月にファースト・アルバムがイギリスでリリースされて以降、コロンビアやヨーロッパ・ツアーを敢行し、オーストラリアとニュージーランドで開催されているフェス、WOMADにも出演。2020年8月、コロンビアのバンド、フレンテ・クンビエロとのコラボレーションによるEPをリリースするなど、国内外で高い評価を受けている。

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