カルチャー
7月はこんな本を読もうかな。
レモンサワーのお供にするのもアリかもしれない6冊。
2021年7月1日
text: Keisuke Kagiwada

『映画監督 三隅研次 密やかな革新』
吉田広明(著)
三隅研次と言ったら、カツシン(勝新太郎)の『座頭市』シリーズを数多く手がけた職人的監督なわけだが、初見のときから、全体にじわーと漂う妙な虚無感みたいなのが、ずっと心に引っかかっていた。これはただの娯楽映画じゃないな、と。本書では三隅が職人であると同時に「映画作家」であったことも明らかにするという。読むっきゃない。¥3,960/作品社

『蛇の言葉を話した男』
アンドルス・キヴィラフク(著)、関口涼子(訳)
「これがどんな本かって?トールキン、ベケット、M.トウェイン、宮崎駿が世界の終わりに一緒に酒を呑みながら最後の焚き火を囲んで語ってる、そんな話さ。」とは、本書にまかれた帯の言葉。なにそれ、ヤバすぎでしょ。これを目にしてそれでもスルーできるような人とは友達になりたくない。そんなファンタジー小説さ。¥3,960/河出書房新社

『魔術の書』
DK社(編)、池上俊一(監)
何とまぁ刺激的なタイトルだこと! と思ってページをめくれば、いかにして魔法や魔術が生まれ、現代のウィッカ信仰やオカルトまで至ったのかの歴史の流れが、豊富な図版や写真で解説される。それによれば、人類はその誕生のときから災害や疫病に苦しみ、解決しようともがいてきたわけだが、そのひとつの答えが魔術だったらしい。人はいつの時代も何かにすがらないと生きていけなかったんだなぁ。ってことは、スマホは現代の魔術かも?¥4,180/グラフィック社

『パチンコ』
杉山一夫(著)
パチンコのルーツはどこにあるのか? それを明らかにすべく、30年以上にわたって国内外の現場に赴き調査し、2020年には私設の「パチンコ誕生博物館」を開館させちゃったという著者による、パチンコ史の決定版。四世代にわたる在日コリアン一家の苦闘を描いた小説『パチンコ』と一緒に読むと、より広い視野でこのカルチャーの背景を知れるかも。¥3,520 /法政大学出版局

『土にまみれた旗』
ウィリアム・フォークナー(著)、諏訪部浩一(訳)
20世紀のアメリカ文学界を代表するウィリアム・フォークナー。作品を読んだことはなくても、『八月の光』『響きと怒り』『アブサロム、アブサロム!』といったタイトルは聞き覚えがあるんじゃないだろうか。そんなフォークナーの記念碑的大作が本邦初邦訳。クールな文体で描かれるのは、心に傷を負い戦争から帰還した青年の絶望と破滅だ。¥5,390/ 河出書房新社

『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』
アマル・エル=モフタール、マックス・グラッドストーン(著)、山田和子(訳)
〈エージェンシー〉と〈ガーデン〉は、あらゆる時間と平行世界の覇権をめぐり争う二大勢力だ。本作はそれぞれに属する2人の女性が、ひょんなことから秘密裏に手紙のやり取りを始める姿を描く。頭のいい監督が映画化してほしい、超絶技巧の多世界解釈SFだ。¥2,090/早川書房
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