20世紀初頭、パリには世界中から芸術家が集まり、それぞれが独自のスタイルで創作活動に励んだ。そんなエコール・ド・パリ派の画家の中でも一際特異な存在であった、モーリス・ユトリロの展示が開催中だ。
アルコール依存やそれを支える母との複雑な関係性に悩んだ幼少期と青年期。その療養の一環として、絵画制作を始めたという。本展は、そんな彼の人生を辿った3つの時代で構成されている。画家人生の初期である「モンマニー時代」では、住まいであったモンマニーなどの都市風景を独特の詩情あふれる表現で描き、風景画家としての礎を築く。続く「白の時代」では、パリの風景に目を向け、街並みの白い壁を石膏や砂などの素材で描き、視覚のみならず触覚に訴えかける豊かさを生み出した。画家として絶頂期であった「色彩の時代」の作品は、街並みの写真を参照しながら定規やコンパスを使った下書きや彩度の高い色選びにより、現実から距離を取ったかのような異質さを持つ。彼が持ったであろうさまざまな喜び、はたまた悩みに想いを馳せながら、ひとりの人生を絵画を通してじっくり観てみたい。
インフォメーション
モーリス・ユトリロ展
会場:SOMPO美術館(東京都新宿区西新宿1-26-1)
会期:2025年9月20日(土)〜12月14日(日)
時間:10:00〜18:00(金曜は20:00まで) ※最終入場は閉館30分前まで
休み:月曜日(11月3日、11月24日は開館)、11月4日、11月25日
料金:一般(26歳以上) 事前購入券1,700円、当日券 1,800円 25歳以下 事前購入券 1,100円、当日券 1,200円 高校生以下無料 詳しくは公式サイトをチェック。
Official Website
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2024/mauriceutrillo/
「柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝」が気になる。
鮮やかな紅型の衣裳、南国の光を映したような織物、大胆で力強い壺屋焼、暮らしと芸能が自然につながる独特の文化。そんな伝統が色濃く残る沖縄を「宝の山」と評した柳宗悦。1938年に初めて訪れて以来、生涯に...
「1978」展に行く。
写真をアートとして初めて日本に体系的に紹介した草分け的なギャラリー『ツァイト・フォト・サロン』(1978年、日本橋に開廊)。創設した故石原悦郎さんは、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ブラッサイなど欧...
佐内正史展「佐内さん」が気になる。
雑誌『写真』Sha Shin Magazine vol.9刊行記念による、写真家・佐内正史さんの展示「佐内さん」が開催中! 佐内氏は1997年に写真集『生きている』で鮮烈なデビューを果たし、2003...
『撮影』を読む。
1995年生まれの写真家、竹久直樹による本作は、彼がライフワークとして撮り溜めてきた「展覧会の記録」を編纂した一冊。その撮影舞台は、一般的な美術館やギャラリーにとどまらず、野外や廃墟といった非日常的...
「へそ」が気になる。
人も物も情報もひしめく都会だからこそ、自分だけの“スポット”を見つけると、実家の部屋の角にあった子供のころの秘密基地のような特別さと安らぎを感じる。河川敷や橋の下など、そんな使われ方が定まりきらない...