ファッション

「Westminster Menswear Archive」には、イギリスファッションのすべてが保存されている。

2026年10月2日

ぼくたちが気になるロンドンのこと。


photo: Naohiro Ogawa
text: Koji Toyoda
coordination: Kaho Fukuda
2026年10月 954号初出

 ロンドン北部にある「ウェストミンスター大学」のホローキャンパスには、世にも珍しいメンズファッションに特化した資料室がある。その名も「ウェストミンスター メンズウェア アーカイブ」。なにやらスゴそうなこの部屋を手掛けるのは同大学の教授で、〈アレキサンダー・マックイーン〉の創成期にも携わったアンドリュー・グローブスさんである。もともとの目的は、ピンタレストに資料を頼りがちな在学生に実物を見せること。2016年に始まったアーカイブコレクションは、テーラリング、ミリタリー、ワークウェア、ユーティリティウェア、デザイナーズブランドまで網羅し、その数は今や3500点以上! 英国ファッションの歴史に名を刻んだエポックメイキングなウェアに、その手で触れることができる。アンドリュー教授曰く、「英国ファッションの面白みは、サヴィルロウという“伝統”が中央に鎮座していることが大きい。それに反発する若者が絶えず登場しては、一筋縄じゃいかない歴史を作ってきたんですね」。買い物に飽きたら、この“博物館”にこもって、歴史を学ぶのもありかもね。興味のある人はメールにて問い合わせを!

オアシスが火付け役となり、若者の普段着となった「マンチェスターシティ」のユニフォーム。まさかのデッドストック!

〈クレイグ・グリーン〉の2018年A/Wのランウェイサンプル。フォークアートのような佇まいは、すべて手作業によるもの。

このドレスも実はメンズで、アレキサンダー・マックイーンが’98A/Wに手掛けたもの。テーマは、ジャンヌ・ダルク。

元冒険家の2人がロンドンで立ち上げた〈ヴォレバック〉。物理を応用した奇天烈な服作りを得意とし、これは火星用ときた。

コロナ禍に〈バーバリー〉が英国の病院などに寄贈していたスモック。ほとんどが焼却処分されているので、まさに幻の一品。

年代不明だが、イギリスの刑務所で着用されていたデニムストライプ柄のシャツ。組下は、〈リーバイス®〉のようなシルエット。

’80年代前半に作られた英国のアウトドアブランド〈バーグハウス〉のダウンジャケット。北イングランドから火が付いた。

1920~’30年頃に作られた〈バーバリー〉のトレンチコート。裏地のチェックが、お馴染みの色柄以前のものだとか。

本国よりも英国で人気の高い〈ストーンアイランド〉。これは1988年製。ゴム成形のエルボーパッチ付きなのが面白い。

ホローキャンパスは、アートやデザイン、メディア系に特化したキャンパス。学生もよく利用するアーカイブは、デザイナー、ワークウェア&ユニフォームなど12のジャンルに分類され、それぞれが便利な可動棚に美しく収納される。予約制なので、ネットからコンタクトしてみよう。

インフォメーション

「Westminster Menswear Archive」には、イギリスファッションのすべてが保存されている。

Andrew Globes

Professor

アンドリュー・グローブス|1968年生まれ。1994年に〈アレキサンダー・マックイーン〉で働き、その後独立。2001年からウェストミンスター大学で教鞭を執るように。


「Westminster Menswear Archive」には、イギリスファッションのすべてが保存されている。

WESTMINSTER MENSWEAR ARCHIVE

Address: University of Westminster, Harrow Campus, Watford Rd., Harrow, Middlesex, HA1 3TP
Open: 火〜金10:00〜17:00 ※アポイント制。予約はメールにて。

Official Website
https://www.mensweararchive.com/