ファッション

コンカースのシャツはメイド・イン・ロンドン。

2026年9月27日

ぼくたちが気になるロンドンのこと。


photo: Naohiro Ogawa
text: Koji Toyoda
coordination: Kaho Fukuda
2026年10月 945号初出

〈コンカース〉の服を手に入れるなら、オックスフォード大学のお膝元にあるセレクトショップ『グッディーズ』がおすすめ。ロンドンから旅行気分で訪ねるのもいいかもね。日本では、『メイデンズショップ』などで扱っているよ。

 にこやかなスマイルでシャツ工房に迎えてくれたのは、英国の古き良きカントリースタイルをオーガニックな素材で作る〈コンカース〉のオリバー・ワーナーさん。イングランド中部の田園地帯で育ち、伝統的なスローライフを愛する彼が洋服作りでもっとも重きを置くのが、英国生産。なかでも、繊細な作りと型に定評のあるシャツは、名だたる英国ブランドのドレスシャツを手掛けてきたトゥイッケナムの工房「バーネット マニュファクチュアリング」にお願いしているという。その真意を聞くと、「僕は“ヴィレッジライフ”の考え方を大切にしているんだ。それはロンドンや周辺の人たちと確かな関係性を築きながらものづくりをしていくこと。洋服だって環境の延長と思えば、これほど自然なことはない」。南ロンドンのアトリエから車で1時間。朝食を食べに行く感覚で、よく進行の様子をチェックしに工房にやってくるそうだ。だからこそ、クオリティも自然と磨きがかかる。もし、〈コンカース〉の服を手に取ったことがないなら、メイド・イン・ロンドンのシャツから試してみるのがベストだな。

先染めした2種類のアイリッシュリネン糸を交織した生地を、オーバーサイズに仕立てた「MARTYN SHIRT」も秋冬の新作(£470)。こういった普段は工房では扱わないような生地を持ち込み、伝統に縛られない一着を作ることもオリバーの強み。工房にも新しい風が吹き込んでいるね。

こちらは秋冬にリリースされるハケメ地シャツのサンプル。オリバーが書き記した修正点が各所に入るが、個人的にはこのデザインを生かしたまま欲しいところ。

タグには、“Not for city boys”。英国の田舎生活への憧れがここに宿る。

ちょうどこの日は、「BEADLE SHIRT」を構成する生地のカッティング作業中。

色々なサイズの型紙を大きな生地に当てて、パーツを切り分けていく。ここから一枚のシャツが出来上がるんだね。

工房のある場所は、ロンドン南西部のトゥイッケナム。閑静な住宅街に23年も根を張り、高品質なシャツを作り続ける。その昔、ローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツのシャツを作ったことも。