カルチャー

知的好奇心が刺激されまくる3冊。

10月はこんな本を読もうかな。

2026年10月2日

text: Keisuke Kagiwada

『博覧狂気の怪物誌』
後藤護 (著)

 暗黒綺想家を自称する著者が、荒俣宏、宇川直宏、ラメルジー、松岡正剛をはじめ、博覧狂気(強記にあらず)の知の怪物(ポリマス)たちのエキセントリックぶりに、魔術的な筆致で肉薄した一冊。とりわけ、平岡正明のフォルム的な思考に着目した「フォルムの思想家、平岡正明」に掲載された、電車のパンタグラフの図版とウィキペディアを引用したそのキャプションには痺れた。¥2,750/柏書房

『映画を輝かせるために Ⅰ』
蓮實重彦、山田宏一、山根貞男 (著)

 1970年代以降、日本における映画批評をリードしてきた3人の「映画狂い」による、数々の映画談義を収録した鈍器本(しかも、Ⅱも同時発売)。多くは数十年以上前の語らいだが、「嘘の体系としての映画をめぐる談話」をはじめ、その刺激は今読んでも全く色褪せることがない。シネフィルとは、こんな魅力的な言葉で「映画を輝かせる」ことができる人たちのことなのだ。¥4,950/国書刊行会

『ポストパンク・ガイドブック 反抗・実験・耽美・ダンス』
白川アヤト(著)

 ポストパンクという音楽ジャンルの何たるかを、537組628作品+独占インタビューを通して解き明かすガイドブック。英米だけでなく、「変革期ソ連に輝くロシアン・ロックのヒーロー」ことКИНОや、「中国インディーシーンの礎を築いた革命児」ことP.K.14など、世界各国の初耳のバンドも多く含まれているのがありがたい。しばらくはここで紹介されている音楽を聴く生活になりそうだ。¥3,080/パブリブ