TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#3】真っ白な雪に輝く、色鮮やかなスキーライフ

執筆:田中嵐洋

2026年2月28日

昨年の冬、東欧の国ジョージアへスキートリップへ行ってきた。
ジョージアってどこ?と思う方も多いだろう。
少し前までグルジアと呼ばれていた国で、東側に黒海、北側をロシアに面した地理関係である。
ロシアとの国境沿いは4000m級の山が連なるコーカサス山脈が広がり、冬になると大量の雪が降る。

ジョージアのスキートリップムービー

なんと巨大なスキーリゾートもあり、それは日本のどのリゾートよりも大きかったのだから驚いた。
ゴンドラやリフトは全て最新のものが使われている。
滑っている人たちはお世辞にもスキーが上手いとは言えないレベルだが、スキーを楽しむ様子はとても心地良いものだった。
ゲレンデの上から下まで転げ落ちるスキーヤー、犬と一緒に滑る(犬は走ってますけど)スキーヤー、ゲレンデ中腹のレストランでしこたまビールを飲むおっさん。
ジョージアの人たちのスキーを楽しむ休日は、どこかほのぼのとした一昔前の日本の姿を観ているようだった。

スキー場で出会った地元のスキーヤー

スキーを教える父と、へっぴりごしの娘

日本はいつからか、『スキーを楽しむこと』から、『スキー技術の向上』に入ってしまい、
衰退の一途を辿ったのだろう。が、それはまた別の機会にお話ししよう。

さて、日本は世界的にも雪に恵まれた最高な国のため、今シーズンも外国人観光客が大挙してスキーを楽しみに来ている。
では、スキーをするなら、日本がベストな場所なのか? その答えはとても難しい。
外国人が大好きなパウダースノーに当たる確率は日本はとっても高い。
一回でもフワフワの雪を滑れば、魔法の絨毯に乗っているかの如く、体が浮いた感覚を味わえるから不思議だ。

真っ白なスキーウェアを纏ったスキーの伝道師 ミスタースノーフレイクさん

だけれどスキーの魅力は当然それだけではない。
僕にとってスキーは冒険心を掻き立てる道具であり、スキーカルチャーへと導く不思議な道具なのだ。
冬季オリンピックが開催されたイタリアのコルチナダンペッツオでは、巨大な岩と岩の間をすり抜けるジェットコースターさながらのスキー滑走をしたこともある。
フランスのシャモニーでは3800m地点から、氷河帯を滑り降りるスリリングなスキーを楽しんだ。
スイスではスキーの妖精のおじさんと滑り、スキーがもたらす最高の人生を聞いた。
ジョージアは麓の小さな村から標高3000mまでハイクアップして、真っ青な空に囲まれた白い雪山を滑り降りた。

ジョージアの大斜面を滑り降りるスキーヤー

超巨大な岩山の間を滑るスリリングなスキー

村は中世から立ち並ぶ煉瓦作りの不思議な塔が立ち、ジブリに出てくるような腰の曲がったおばあちゃんたちが住んでいた。
事実、この村は宮崎駿さんが『天空の城 ラピュタ』の構想の中で、主人公シータの生まれ故郷のアイデアとなった場所らしい。

中世の世界が残るジョージアの村 メスティア

村の公園脇に描かれたスキーの絵

僕はこれまで、たくさんの場所をスキーと共に旅をして、その土地のスキーヤーと出会い、スキーの面白さを語ってきた。
スキーを通して出会ってきた友人は世界中にいて、数えきれないほどに多い。
彼ら彼女たちを思い描くと、みな一様に笑っている。

さて、今回のスキーの話はこれくらいにするが、これまで僕のスキートリップで一番楽しかった場所は、フランスのシャモニーだ。
スキーをした後の時間をレストランやバーで楽しむ、「アプレスキー」というスキーカルチャーが生まれた地である。
ちなみに僕は一滴もお酒を飲まないのだが、バーでアプレスキーを楽しむスキーヤーたちの満足しきった顔を見るのが好きだ。
その顔を見るだけで、スキーがどれだけスキーヤーたちの人生にカラフルな時間を与えているか分かるのだ。

さあ、皆さんもスキーに行こう。
そして、スキーをした後の時間も贅沢に楽しもう!
スキーは、スキーをしているときも、アプレスキーも、そして夢の中まで楽しいはず。

それでは皆さん、Ski You Later!

プロフィール

田中嵐洋

たなか・らんよう |クリエイティブ・ディレクター、SKI CLUB プロデューサー。1983年、三重県生まれ。アウトドアブランドのマーケティングやPRを経て、スポーツ・アウトドア業界でフリーランスのディレクターとして活動。スキーの楽しさを多くの人へ伝えるために、日々スキーに没頭する。

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