ライフスタイル

カーテンを〈クヴァドラ〉にしてみたら。

僕の部屋に欲しいもの、したいこと。

2026年2月15日

部屋とシティボーイ ’26


photo: Tomohiro Mazawa
text: Yoshikatsu Yamato
2026年3月 947号初出

デザインスタジオDOSHI LEVIENによるメッシュ状のカーテン「Rocket」¥21,120/m~。生地代に加え、縫製費・施工費が別途必要となるため、取扱店にて見積もりの上で購入する。

 なんにせよ、窓辺は重要だ。空気や光の出入りがあって、外の気配を運んでくる開口部。感じのいい窓枠と、視線が抜ける景色。良好な日当たりに、気持ちのいいそよ風。でも、現実では、叶わないことのほうが多い。けれど、それでも、窓辺の風景にこだわりたい。となると、カーテンが大切になる。空気や光の出入り口としての窓の役割を生かすなら、「遮断」という機能ばかりを求めなくてもいいのではいか、と思えてこないか? 北欧のテキスタイルメーカー〈クヴァドラ〉のカーテンは、およそ300種類ものデザインがあり、そのほとんどが視界や光を完全には遮らないシアーな生地。これは、日照時間が短く、太陽の光をうまく取り入れようとする北欧の住宅文化から生まれた。カーテンは外部を遮るための布ではなく、外からのギフトをさらに濾過するフィルターになる。テキスタイルのデザインは、ファッションデザイナーのラフ・シモンズ、建築家のヘルツォーク&ド・ムーロン、グラフィックデザイナーのピーター・サヴィルなどなどのユニークなコラボレーターたち。専門的に〝布〟だけを扱うデザイナーではないからこそ、まるでアート作品を生み出すようなアイデアと、それを実現する技術から美しい布が生まれる。正直、値段は張る。でも、家具はメルカリやヤフオクで面白いものを見つけて節約。ときにはDIYを楽しみ、カーテンにお金をかける。面積は大きい。壁を塗り替えたような、インテリア全体への劇的な効果がある。実は気に入っていない窓枠も、多少散らかってしまう部屋も、なんだか良くしてくれる。昼は、偶然がつくる布の重なりや光によって、青の濃度が変わる。窓を開ければ、風にそよぐ様子も美しい。日が沈み、外が暗くなると、青は静かで深いトーンになる。雨も観察できる。ベージュやグレーの遮光カーテンの無愛想な感じはなく、日当たりが良くない部屋であっても、窓の表情が移り変わる。小さくするぶんには縫製をし直せばリサイズできるし、洗うこともできる。だから、これからの人生で何回かの引っ越しをしても、窓を水槽のように感じさせるこのカーテンを持っていこう。この青をいろいろな窓に掛けて、その場所の光に透かしてみたい。

インフォメーション

Kvadrat

1968年にデンマークで設立されたテキスタイルメーカー〈クヴァドラ〉。国際的に活躍するアーティストやデザイナーとのコラボレーションによって作り出される美しいカラーパレットと質感が、いつもの部屋に奥行きを与える。ウールを中心に再生素材やリサイクル素材の研究開発にも力を入れ、環境に配慮したものづくりも特徴。直営店での販売はなく香川、東京、札幌の『CONNECT』、富山の『51% 五割一分』など取り扱いのあるインテリアショップで購入を相談しよう。部屋に合ったサイズを発注後、約2か月前後でヨーロッパから生地が到着。縫製と施工を経て、マイ・カーテンに。

Instagram
https://www.instagram.com/kvadrattextiles/

Official Website
https://www.kvadrat.dk/ja