ファッション

特集「服と着こなしの細かい話。」

NO.936

服と着こなしの細かい話。

2025年3月6日

ディテールにこだわるほど、ファッションは楽しくなる!

おしゃれの醍醐味は小さなこだわりの積み重ねだ。例えば、ニットの裾からのぞくシャツやスウェットの首元から見える白いTシャツの面積、パンツの裾のクッション具合、ショーツとソックスの素材と色のマッチング……。個人的なツボにこだわり、それがビシッとハマったときの気持ちよさは格別。おしゃれな人とそうでない人の差って、実はこんな細かいところに表れたりするものだ。そして、この春のファッション特集のキーワードは「PLAYFUL」。マイ・スタンダードから一歩も二歩も踏み出して、今まで縁遠かった明るい色、一癖ある柄やフォルム、異素材同士の組み合わせ、ユニークなサイズバランスを楽しもう。いつもの着こなしから軽やかにハミ出して、新しい自分と出合うのって案外いいもんだ。

小さなこだわりと遊び心を携えて、ファッションの新しい冒険へ、いざ!

「PLAYFUL FASHION」に大切なのは、発想の転換と着こなしのちょっとした工夫。

巻頭の企画は「PLAYFUL FASHION」。新年度を迎えるにあたり、いつもと同じ着こなしでは安定感はあっても、正直、ワクワク感が足りないだろう。ピンクのグラデーションで春を呼び込む。タートルネックシャツをデニムにタックインしてノーベルトで着こなす。ブラックリネンのスーツにポップなインナーを合わせる。ピッチの異なるヒッコリーのワークウェアを重ね着してみる。などなど、いつものスタイルの延長にありながら、発想の転換と着こなしの細やかなアイデアで、プレイフルな装いは実現できる。ファッションは、楽しんだもん勝ちだ!

カラフルな装いは
ピンクのグラデーションから。

デニムのタックインは
ノーベルトですっきり。

ブラックのリネンスーツを
日常着としてポップに着崩す。

人気のワークウェア、
この春はピッチの異なるヒッコリーを重ね着。

ボロボロのパンツこそ、
上質なブロード地のシャツ+タイドアップ。

新しい春を、特別な春に! 欲しいものが見つかるショッピングカタログ。

手持ちのワードローブを軸に、春のコーディネートを考えるのもいい。大切なのは発想の転換と着こなしのちょっとした工夫だって、前段で言ったばかりだしね。でも、やっぱり新しい季節には、新しい服が欲しくなる! アイビー、デニム、柄もの……、6つのカテゴリーで構成する春服カタログを作ったので、ぜひショッピングの参考に。自分の定番を買い足すのではなく、いつもと違う少しチャレンジングなアイテムを選ぶのも、きっと楽しいよ。

春の訪れは、古き良きアイビーリーガーのようにスポーティであることから。

プレイフルなマインド全開で、春のおしゃれをエンジョイしまくろう。

おしゃれに退屈するなんてもってのほか。ファッションはもっと刺激的なはず! 多彩なアレンジができる服、思い切ったレイヤード、気張らないジャケットスタイル、いつものデニムをカラフルに、セルフカスタムのススメ、フロムNYCなウェスタンスタイル、ブラウンとオリーブの遊び方などなど、フレッシュな13のキーワードとその着こなしを細かく解説します。迷いやためらいを捨てて、新しいスタイルに飛び込もう!

「どう着る?」と
問いかける服。
こちらは〈I’M HERE:〉の
ハオリミリタリージャケット。

〈マウンテンリサーチ〉のジャケットは
内側の腰回りに付いた
ネイティブパターンのゲームポケットを
外に出すとハーフコートに早変わり。

三者三様のレイヤード。
右から「ひねりの効いたスポールMIX」、
「勢いよくチェックシャツの3枚重ね」、
「透け感で遊ぶ、メッシュニットの重ね着」。

自由に程よくカッコよく!
白いワークウェアをペンキで
セルフカスタムしてみよう。
プレイフルな一着のでき上がり。

‘70年代的なヘビーデューティが気になる。
60/40クロスの緑のハーフコートの上には
パーテックスのベスト。
インナーはラガーシャツだ!

上下オリーブに、鮮やかなオレンジを差す。
この配色はそうMA-1だ。
まさに遊び心があり、
理に適った組み合わせ。

おしゃれに差が出るのはなぜ? いつものスタイルを一新する緻密なテクニック。

〈A.P.C.〉のデニムのセットアップ、〈カーハートWIP〉のミシガンコート、〈ブルックスブラザーズ〉のBDシャツ、〈アクアスキュータム〉のバルマカーンコート……。継続的に展開されている定番品はシティボーイのワードローブに欠かせないものだ。でも、同じアイテムを着ているのに、洒落て見える人とそうでない人がいるのはなぜ? おしゃれは細部に宿る。サイズバランスや細かい遊びの“HOW TO”を通して、いつものスタイルを一新しよう。

〈A.P.C.〉のデニムのセットアップは
リジットのソリッド感が最高。
裾をタンアップして、ドレスシューズを合わせて。

ウォッシュされたデニムのセットアップは
〈LVC〉をチョイス。少し大きめのサイズ感の
アイスブルーの色合いでこなれた印象に。

〈ディッキーズ〉のツナギに、トレンチコートを羽織る。
王道ワーク+品のあるミリタリーが新鮮。
左右でロールアップ具合を変えて軽やかに。

〈ブルックス ブラザーズ〉のBDシャツに、ポロシャツをイン。
襟を重ねた首元の存在感に負けない、
太めのチノパンと登山靴のコンビネーション。

〈L.L.Bean〉のフランネルパジャマパンツでゆるく、
レザーのジャケットでちょいハードさを加えて。
赤ベースのチェックと黒レザーって、実は英国風味。

シティボーイの必需品である〈ラコステ〉は
前後の裾の長さが同じなので、
ギュッとしたリブの〈チャンピオン〉のスウェットが好相性。

〈ポロ ラルフ ローレン〉のビッグポロシャツは
後ろの裾が前よりもちょっと長い。
レイヤードはポニーマークをちらり見せることを意識。

ここ最近、再ブームのオンブレチェックシャツ。
ストレートにロックテイストに突き進むのではなく、
眼鏡とベルトの選択で大人っぽく。

カーキ色のツイルチノ素材のシャツとパンツに、
あえてネイビーブレザーをまとい、レジメンタル柄のボウタイを垂らす。
新感覚のプレッピールック。

フランスのドレスシャツにアメリカのネクタイ。
そこに、チョコチップ迷彩のパンツ&ベルトという
フリーダムな着こなし。

教えて、センパイ! コーディネートの妙とディテールの正解をレクチャー。

常に多彩なスタイルを自然に着こなす『BOUTIQUE』オーナーの金子恵治センパイ。その秘訣は“きっかけのアイテム”を起点にコーディネートを楽しく広げること。今回は、とある1週間をイメージした7つのスタイルから、金子流おしゃれの“極意”を伝授してくました。〈スティーブン アラン〉ディレクターの伊藤正彦センパイは、Tシャツの裾の出し具合、スカーフの巻き方、タックインスタイルの留意点、こなれたパンツとシューズの組み合わせなどなど、“やりすぎないスタイリングのツボ”をQ&A形式でズバリ回答。さあ、今日から着こなしの細かいルールを実践だ!

金子さんのおしゃれ巧者ぶりが的確に伝わってくる7つのコーディネート。
そのまま真似したい!

インフォメーション

特集「服と着こなしの細かい話。」

POPEYE 2025年4月号「服と着こなしの細かい話。」

春のファッション特集。おしゃれとは小さなこだわりの積み重ねで、そこを追求するほど気持ちが湧き立ち、心が踊るはず。そんなファッションの醍醐味を「PLAYFUL」というキーワードとともに、微に入り細を穿ちながら展開する一冊です。巻頭企画「PLAYFUL FASHION」では発想の転換と細やかな工夫で叶う、新鮮なスタイルを展開。6つのテーマを立てながら高揚感をもたらす品々を紹介する「春服カタログ2025」。定番的なアイテムを軸にしつつ、サイズバランスや細かい遊び心でいつもの装いを一新する「FEELIN’ A GOOD BALANCE」。そのほか、「バギーパンツに合う、Tシャツと靴の細かすぎる話」「使い道を待つジップを備えた〈wonton〉の服」といったコラム集、今注目の〈FOLL〉デザイナー・平沢幹太さんのアイテム選びのこだわりと着こなしにまつわるA to Zなども。ファッションの新しい楽しさに目覚める企画が盛りだくさんです。