ライフスタイル

異素材MIXと異文化MIX。部屋作りは自由にいこう。

NEW YORK/僕の部屋とマイルール。

2025年2月21日

部屋作りのマイルール。


photo: Takeshi Matsumi
illustration: Erika Horiuchi
coordination & text: Shimpei Nakagawa
2025年3月 935号初出

Ava Nirui 〈Marc Jacobs〉Head of Brand and Global Creative
エイヴァ・ニルイ|オーストラリア、シドニー生まれ。〈Opening Ceremony〉や〈Helmut Lang〉で経験を積み、2020年より現職に。デザインからキャンペーンビジュアルまで幅広く手掛ける。

AREA – ニューヨーク・クリントンヒル地区
Space – 1LDK 88㎡
Remarks – 閑静な住宅地エリアにある1899年築のブラウンストーンの物件は、窓など所々にある昔ながらのディテールがお気に入り。

「矛盾や二面性が好きで、多様な要素を持ちながらも調和している状態が好き」。こう語るのは、〈Heaven by Marc Jacobs〉を手掛けつつ、〈Marc Jacobs〉のグローバルクリエイティブ責任者を務めるエイヴァ。

 一体どんな空間なんだろうと自宅を訪ねてみると、本人が腰をかける’70年代のマリオ・ベリーニのバンボレソファの前にはガーフィールドの’60年代のテーブルがあり、写真家Corinne Dayが撮った『ヴァージン・スーサイズ』のオフショットに、棚にあるペコちゃんやキューピー人形の隣には、編集者の都築響一さんの著書『着倒れ方丈記 Happy Victims』や自身が〈ヘブン〉で企画したメタルバンドDeftonesのライブのサイン入りセットリストなど、異質な物たちが仲良く並ぶ。異文化、異素材が自由に楽しく混在しつつも違和感のない、彼女の感性が行き届いたカオスの中のハーモニーだ。「私の空間に来た人が『なんだこれ!?』と驚くようなものを置きたくて。それが、楽しい頭痛のような刺激になるといいな」

1. アートは友達の作品に限る。

リビングには〈ヘブン〉でもコラボレーションするなど、公私ともに仲の良いアーティストEri Wakiyamaのペインティングやドローイングが。「ペインティングはエリが私のために描いてくれた一点もの。友人の作品に囲まれるほど素敵なことってなくない?」

2. ’70年代のイタリアものも好き。

長年かけてようやく状態のいいものを見つけることができてゲットしたというマリオ・ベリーニのバンボレソファ。奥にあるルチアーノ・ベルトンチーニの鏡はコートハンガーにもなる。

最近購入したというダイニングテーブルとチェアはアフラ&トビア・スカルパのもの。

「気づけば’70年代のイタリアンファニチャーが増えてきた。クラシックだけど少しスパイスが効いたデザインと実用性がうまく交わっているのが好き」とその魅力を語るエイヴァ。

3. 好きなカルチャーで埋め尽くす。

『サウスパーク』に本人役で登場したマーク・ジェイコブスのぬいぐるみとユルゲン・テラーによる〈Marc Jacobs〉の過去のキャンペーンを使ったスケートボード。

友人の「Climax Books」などで購入している本に、セーラームーン、『マルコヴィッチの穴』のマトリョーシカなど好きが詰まる〈Frama〉の棚とサイドテーブル。〈Comme des Garçons〉や〈Final Home〉のぬいぐるみとバービーコレクションも。