ライフスタイル

狭くたって好きなものを詰め込めば、毎日が楽しくて仕方がない。

PARIS/僕の部屋とマイルール。

2025年2月20日

部屋作りのマイルール。


photo: Mari Shimmura
illustration: Erika Horiuchi
coordination: Masae Takanaka
text: Nozomi Hasegawa
2025年3月 935号初出

渡邉泰廣
わたなべ・やすひろ|1969年、愛媛県生まれ。『Dover Street Market GINZA』のプレスマーケティングマネージャーを長年勤め上げた後、昨年パリに移住。現在は『Dover Street Market PARIS』に勤める。

AREA – パリ・北マレ地区
Space – 1R 27㎡
Remarks – 『Dover Street Market Paris』からは歩いて5分。パリコレで知り合ったファッションジャーナリストの紹介でこの物件を見つけた。

『Dover Street Market』のPRを務めていた渡邉泰廣さんは、2024年4月末に、パリの北マレ地区へお引っ越し。「不思議な話ですが、一昨年1月に『私、フランスに移住するかも』という予感がしたんです。その後、パリに新店舗がオープンすることが決まり、転職を決意。昨年に引っ越してきました」。日本から船便で3か月かけて運んだ荷物は、なんと段ボール50箱! そのほとんどは床下収納に何とか収めているという。「ここはあくまでも〝仮の住み処〟。とはいえ住み始めて半年以上たってしまいました(笑)」。約27㎡のコンパクトな空間には、日本にいた頃から愛用している食器やレコード、パリの蚤の市で見つけたキッチュな雑貨や絵など、渡邉さんの好きなものだけがギュギュッと。まるで秘密基地のよう。「休日には蚤の市や中古レコード店を回ったり。東京にいた頃と同じような感覚で過ごしているので、生活圏が変わっても自分らしい部屋作りができているのだと思います」

1. こだわりの布を上手に活用。

ベッドの布はパリの〈IKEA〉で見つけたもの。「〈IKEA〉はたまにいいアイテムがあるので侮れません。北欧の匂いがあるものにはつい惹かれてしまいますね」

「もともとこのアパートにあったソファもお気に入りの〈MARNI〉の布をかけるといい感じになります」

2. 生活圏にもアンティークを。

洗面台下の扉も蚤の市で発見。偶然にもジャストサイズ。

備え付けベンチの周辺には、蚤の市で見つけた絵や道で拾った看板を配置。ディフューザーは〈サンタ・マリア・ノヴェッラ〉を愛用中。

3. リビングはレコードが主役。

レコードは日本から持ってきたモノに加え、パリでもディグしている。「ターンテーブルにスピーカー、アンプ、CDプレーヤーなどのオーディオ家具はサンマルタン運河沿いのショップで、レコード棚&本棚は『無印良品』レ・アール店で購入しました」

4. 棚の上には好きなものをぎっちり並べる。

益子の製陶所『郡司製陶所』の作品が大好きで。鳥がモチーフの花瓶もそこで作られているものです」。中央のバンビの花瓶は日本人がフランスで営む移動花瓶屋〈cabin.e.dream〉で手に入れたアンティーク。

5. キッチンは和洋折衷で好きなものを無造作に。

左/食器を置いているトレーは日本の『無印良品』で購入。「パリの無印では竹素材のトレーしか売ってないんです。僕は木の素材が好きなので、日本から持ってきました。自炊はかなりしていて、小さいココットでお米を炊くし、大きな鍋では煮込み物など作りますよ!」
中/ガラスとステンレスの浄水器ポットは〈aarke〉のもの。
右/「もちろん『郡司製陶所』の食器は日本から持ってきました」