カルチャー

2月はこんな本を読もうかな。

アングラ文化を堪能できそうな3冊。

2024年2月1日

『評伝 マルコム・マクラーレン』
ポール・ゴーマン(著) 川田倫代(訳)

評伝 マルコム・マクラーレン

「待ってました!」がこれほど似合う本もなかなかない。だって、”ポップカルチャーの革命児”こと、マルコムの伝記なんだから。彼が作り出したのはセックス・ピストルズやパンクファッションだけじゃない。特に一時期、かのスピルバーグの事務所で働いていたって話にはびっくり仰天した。悪名高さでお馴染みのマルコムだけど、文句をつけるのはこの一冊を読んでからにしたまえ。¥6,600/イースト・プレス

『穴持たずども』
ユーリー・マムレーエフ(著) 松下隆志(訳)

穴持たずとも

ソ連時代、地下出版界で名を馳せた著者の小説作品なのだが、これがかなりヤバい。描かれるのは、1960年代のモスクワ郊外の共同住宅で暮らす、常軌を逸し過ぎた人々の”生活と意見”とひとまずまとめておくが、それを貫く難解極まる世界観は、哲学とオカルティズムと厭世主義が悪魔合体して組成された猛毒のよう。もう絶句するしかない。¥4,180/白水社

『レッド・アロー』
ウィリアム・ブルワー(著) 上野元美(訳)

レッド・アロー

借金を抱えた物書きの男は、さる著名な物理学者の回想録をゴーストライティングすることでそれを帳消しにしようと目論むが、学者が失踪しちゃったから、さぁ大変。探し出すっきゃない……という物語が、著者自身のうつ病のために行ったサイケデリック療法の経験を反映しつつ描かれる。だけど、ビートニクっぽい支離滅裂さとは真逆の方向性。まさに新感覚。¥2,970/早川書房