カルチャー

あの人のリーディングリスト。Vol.10

選書: 小島麻由美

2023年3月28日

あの人はどんな本を読んでいるのか? 
気になるあの人たちのリーディングリストを教えてもらう連載。
第10回は小島麻由美さん。

『百年の孤独』
G・ガルシア・マルケス(著)・鼓直(訳)

昔、猫を飼ってたの。猫は人より速く歳をとるでしょ? それで、猫のライフサイクルに合わせた猫の暦「猫暦」っていうのを考えたことがあるんです。猫暦に従うと、1世紀は20年。80年以上生きる人間は、なんと足掛け5世紀も生きるんです! ガルシア・マルケスの書く話は、いつも時間や大きさのスケールが狂ってる。『百年の孤独』は猫の時間で歴史を見るような、猫の血脈の話をしているような、不思議なおかしさがある。

風と共に去りぬ』
マーガレット・ミッチェル(著)・鴻巣由紀子(訳)

これ、映画と原作は別物なんです。原作ではスカーレットは美人じゃないし、タラの邸宅も映画みたいに壮麗じゃない。映画が悪い訳じゃないけど、わたしは原作がすき。人種描写が問題になってるけど、ニュアンスは分からない。南部が、実際どんなところか全く知らない。私にはこの原作だけで完結した世界なの。最近、第五巻を新調しました。

『グレート・ギャツビー』
スコット・フィッツジェラルド(著)・村上春樹(訳)

高校生のとき、50sにハマったの。そこから次に、ベニー・グッドマン。1940年代。ビッグバンドジャズを、カセットテープに歪ませて録って聴いてた。しばらくして、たどり着いたのがガーシュイン。1920年代。でももうそこが行き止まりだった。その先は、シートミュージック(楽譜)の時代になっちゃう。グレートギャツビーは、その1920年代、ニューヨークのお話。T型フォードが走ってて、音楽はクラシックとジャズがまだ混然としてる。私の“好き”が一杯つまってる。でもね、さらに遡って、ドビュッシーやサティのいるパリも好き。で、さらにさらに遡って…。

『心をととのえるスヌーピー』
チャールズ・M・シュルツ(著)・谷川俊太郎(訳)・升野俊明(監修)

シュルツさんの線が好き。子供達のキャラクターが好き。ヴィンス・ガラルディの音楽が好き。何より、善い子も悪い子もない、作者の眼差しが好き。ピーナッツが人類に普遍的な道徳の書であるということを、私は今ここで声を大にして訴えたい!

プロフィール

小島麻由美

小島麻由美

こじま・まゆみ | 東京都出身・在住。シンガー・ソングライター。