ファッション

〈ロレックス〉と牡蠣の話。

〈ROLEX〉PERPETUAL 1908

2023年12月7日

小旅行とパッキング。


photo: Tetsuo Kashiwada
illustration: Dean Aizawa
text: Koji Toyoda
2023年12月 920号初出

〈ロレックス〉時計

 最後にひとつ牡蠣の話でも。といっても、英国産の牡蠣ではない。ジュネーブ産の極上な牡蠣、「オイスター パーペチュアル」についてだ。通称オイスターと呼ばれる一本は、いざ〈ロレックス〉を手に入れようと思った際、ヴィンテージでも、現行でも、必ず名前が挙がるエントリーモデル。Webサイトにも〝普遍的な象徴〟と記すよう、自他ともに認めるスーパーベーシックだが、実はかなりのエポックメイキングなモデル。

 ちょっと時計を齧った者ならば、〈ロレックス〉の三大発明を聞いたことがあるだろう? ねじ込み式のリュウズと裏蓋を採用することで防水性を高めた「オイスター」(’26年)に、360度ローターが回転する自動巻き機構「パーペチュアル」(’31年)、そして、午前0時に日付がパチっと切り替わる「デイトジャスト」(’45年)。1931年に登場した初代〝オイスター〟は、このうちの2つを搭載した〈ロレックス〉の記念碑的存在なのだ。上写真の「パーペチュアル 1908」は、そんな初代を現代に蘇らせた2023年のニューモデル。オイスターコレクションとは似ても似つかぬほど、とびきりクラシックなムードがステキ。なんだかんだ同ブランドの名機「エクスプローラー」や「サブマリーナー」に靡きがちなシティボーイを〈ロレックス〉の原点に回帰させる力を持っている。いつかは味わうことができるかな?

BRAND STORY

〈ロレックス〉ロゴ

ハンス・ウイルスドルフが1905年、英国にて創立。当初から腕時計一筋のモノづくりは、エベレストの登山隊から海中探索のダイバー、テニス選手、プロゴルファーまでを魅了し続け、半世紀以上もの間、腕時計業界のキングに君臨する。ちなみに〈ロレックス〉というブランドネームは、ウイルスドルフが、乗合馬車に乗っているときにひらめいたもの。

インフォメーション

〈ROLEX〉PERPETUAL 1908

1931年に登場した初代「オイスターパーペチュアル」を踏襲したデザイン。39㎜の18Kラウンドケースに、最新鋭の自社製ムーブメントを搭載した一本で、約66時間のパワーリザーブを誇る。1908とは、〈ロレックス〉のブランド名が登録商標されたメモリアルイヤー。自動巻き。REF番号は、52508。¥2,880,900(ロレックス/日本ロレックス☎0120·929·570)