ファッション

〈IWC〉と名シリーズの話。

〈IWC〉MARK XX

2023年12月6日

小旅行とパッキング。


photo: Tetsuo Kashiwada
illustration: Dean Aizawa
text: Koji Toyoda
2023年12月 920号初出

〈IWC〉時計

 洋服でも、時計でも、名シリーズと呼ばれるものは、いつだって簡潔なネーミング、あるいは品番とともにある。デニムの〈リーバイス〉なら501、スニーカーの〈ニューバランス〉なら1300。では、時計でいったら? 〈IWC〉のマークシリーズがそれに当たるだろう。

 1948年、英国空軍に納入することに端を発するスイス製パイロットウォッチの物語は、11に始まり、13、14、19はスキップ(ヨーロッパで不吉とされる数字ゆえ)して、最新の20まで続く。展開年数にして75年! それだけロングランできるのは、このプレーン極まりないルックスに秘訣があるのは間違いない。目盛りやメーター類が盛り盛りの計器的なデザインが多いパイロットウォッチの世界にあって、「マーク20」は時刻とデイトのみのシンプルさ。ただし、シンプルに見えて実は本格機能を備えていて、100m防水に、120時間のパワーリザーブ、軟鉄性の耐磁インナーケース(コクピット内は磁場の影響を受けやすく、針が狂うそう)を採用している。いうなれば、学園ドラマでよく見かける、本当はタフガイなのに普通に見せている優等生みたいな存在というわけ。名シリーズってのは、時計に限らずそういう特徴を持っていて、だからこそ、長く付き合える。

BRAND STORY

〈IWC〉ロゴ

1868年、ドイツ国境に近いスイス北部の街、シャフハウゼンにて、アメリカ人時計技師が創業。スイスの伝統技術に、アメリカナイズドされた生産方法を掛け合わせた手腕が功を奏し、20世紀初頭にはトップメーカーの仲間入り。“インター”の愛称で知られる。

インフォメーション

〈IWC〉MARK XX

1948年の初代「マークⅪ」から数えて7代目。英国パイロットウォッチの伝統を受け継ぐ最新型。40㎜のステンレススチールケースには、リシュモン傘下〈ヴァルフルリエ〉の自動巻き機構を忍ばせ、5日間のパワーリザーブを備える。¥764,500(IWC☎0120·05·1868)