ファッション
〈グランドセイコー〉と一生ものの条件の話。
〈GRAND SEIKO〉SBGW231
2023年11月17日
![〈グランドセイコー〉](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-23.10.04.POPEYE9662-1600x1067.jpg)
〝BUY ONCE, BUY WELL〟という格言がある。これは現英国王チャールズ3世の言葉。洋服にしろ、家具にしろ、時計にしろ、一級品を選んだほうが却って無駄な買い物をしなくて済む、という意味だ。事実、彼自身、昔買ったコートや靴をリペアしながら、何十年も愛用しているし、僕たちが〝一生もの〟を考える上でとても大切なフィロソフィーだと思う。こと時計においては、洋服や靴と違っていくつもあったら持て余すわけで、車のように気に入ったものが一本あれば、それで十分だ。
では、時計における一生ものとは? という難題に向き合い、見て回ってみて、無数の選択肢からこれぞ! と素直に思えたのが〈グランドセイコー〉の「SBGW231」。
まず、時代に左右されないこと。こちらは1960年誕生の初代モデルを彷彿とさせるようなデザインで、文字盤は柔らかな厚みを持つドーム状、鋭敏なドルフィン針にザラツ研磨された鏡面ケースを採用し、クラシックの風格を今に伝える。控えめでクラシックな佇まいはワークウェアだろうと、スーツだろうと合わせる服を選ばず、『銀座 和光』の時計塔(ご存じこちらもセイコー製)のごとくタイムレスな存在といえる。
次に実用性。見た目だけならアンティークを探せばいいと思うかもしれないが、常に進化を続けるムーブメントは最新こそ最良。大正時代に国産初の腕時計を作り、’69年には電池式で月差±5秒という革命的なクオーツを生み出したセイコーの名に恥じぬ〝精巧〟極まりない機構が収められ、道具としての本分にも抜かりはない。しかもこちらは〈グランドセイコー〉の初代モデルと同じ手巻き式。タイパが声高に叫ばれ、時刻を確認するのにスマホで事足りる昨今において、3日に一度ゼンマイを巻くという静謐な習慣が、時と丁寧に向き合うきっかけを与えてくれる。どの世代の自分にも寄り添ってくれそうな懐の深さを感じるが、こういうものこそ若いうちから同じ時を過ごし、ゆくゆくは子、孫へとバトンを渡して、長きにわたり付き合っていきたい。そう考えれば、55万円の値付けは決して高くはない。
BRAND STORY
![〈Grand Seiko〉ロゴ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/11/DMA-Grand_Seiko_1-320x240.jpg)
1881年の創業以来、国産時計ブランドの代表格として君臨する〈セイコー〉の最上級ラインは1960年に設立した。’67年には、多面カットや鏡面技術を駆使することで、ささやかな陰影がつけられた「セイコースタイル」と呼ばれるデザイン文法を生み出した。
インフォメーション
〈GRAND SEIKO〉SBGW231
「エレガンスコレクション」内に密かにラインナップされる一本。ラグ(ケースとバンドを繋ぐパーツ)はカーブがつき、手首の曲線に自然に沿う。手巻き式ならではの薄型で重さは61g。ケース径37.3㎜もちょうどいいサイズ感。¥550,000(グランドセイコー/セイコーお客様相談室☎0120·302·617)
関連記事
![アクセサリーとしての時計を考える。](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/DMA-_DSC7068-2.jpg)
ファッション
アクセサリーとしての時計を考える。
JEWELER’S & MAISON’S
2023年6月3日
![伯父さんみたいな時計を一本。](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/DMA-_PS_2878.jpg)
ファッション
伯父さんみたいな時計を一本。
CLASSIC FACE
2023年5月25日
![ジェントルマンならこうするね。/ドレスアップ編](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/04/3acbd0e5fad4ca465969c793690129b4.png)
ライフスタイル
ジェントルマンならこうするね。/ドレスアップ編
紳士とは美学を貫く男。細部にまで手を抜くな!
2021年4月16日
![ジェントルマンならこうするね。/エチケット編](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/04/3085b42df9353354d5e0464eeecc20b9.jpg)
ライフスタイル
ジェントルマンならこうするね。/エチケット編
自分のことより相手を優先。紳士の基本は“思いやり”だ。
2021年4月17日
![いま、欲しいのはこんな時計。【前編】](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/05/a11b4bb3ba448d1fa402ac3dc62cc91f-1600x1600.jpg)
ライフスタイル
いま、欲しいのはこんな時計。【前編】
What I want now is a clock like this.
2023年5月23日
![新連載|目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.1 – ギークウォッチってなあに? –](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2022/03/IMG_20220329_195956_290.jpg)
カルチャー
新連載|目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.1 – ギークウォッチってなあに? –
写真・文/ドナルド魔苦怒奈流怒
2022年3月30日
![I LOVE THIS KIND OF VINTAGE CLOTHING #1 SPENCER PHIPPS](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/11/DMA-PAR_9008-1600x2400.jpg)
ファッション
I LOVE THIS KIND OF VINTAGE CLOTHING #1 SPENCER PHIPPS
2021年11月11日
![10 STYLE ESSENTIALS/Margaret Howell](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/03/DMA-Margaret_Howell_0026-1-1600x2133.jpg)
ファッション
10 STYLE ESSENTIALS/Margaret Howell
2023年3月17日
![“センスがいい人”の戦略。フラン・レボウィッツ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2022/01/DMA-20061024_gaf_g122_382_2.jpg)
ファッション
“センスがいい人”の戦略。フラン・レボウィッツ
文・デーヴィッド・マークス
2022年1月31日
![キャシディ ホームグロウンがはじめて作った時計がどこまでもオーセンティック。](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/09/DMA-Edited_6287.jpg)
ファッション
キャシディ ホームグロウンがはじめて作った時計がどこまでもオーセンティック。
2021年9月18日
ピックアップ
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/07/a98b1120712ae2558c294773114e59b3-750x750.jpg)
PROMOTION
〈DAMD〉の車に乗って、僕らしいひとり旅をカスタム。
DAMD
2024年7月8日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/07/hh_01_1080x1080-750x750.jpg)
PROMOTION
もしものときの「118」。ドコモと〈ヘリーハンセン〉が広める、安全なマリンライフ。
2024年7月15日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/05/01-1-750x1131.jpg)
PROMOTION
夜にかける〈IZIPIZI〉のサングラス……?
IZIPIZI
2024年7月5日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/07/1x1.jpg)
PROMOTION
〈adidas Originals〉とシティボーイの肖像。#5
Tohma Picaulima(21)_『Cosmos Juice Tomigaya』Staff
2024年7月16日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/07/BAOBAO_fin_v2.gif)
PROMOTION
〈BAO BAO ISSEY MIYAKE〉のバッグとピザと僕。最高の“三角”関係。
2024年7月8日