横顔のポートレイトが初めて発表されたのは2005年。通りすがりの客から「自分の横顔も描いてほしい」と声をかけられたことをきっかけに依頼が広がり、これまでに約2,000人を描いてきた美術作家、岡美里さん。昨年京都で開催された回顧展の内容を凝縮し、さらに新作を加えた絵画展が代官山『SISON GALLERy』で開催される。
展覧会タイトルは「私たちは非常にゆっくりと蒸発している」。その意味について、岡さんはこう語る。
「絵であれ、小説であれ、作品には作家の人生観がかならず込められています。私はというと「人は水の入ったコップ」といったイメージにとらわれています。生まれた瞬間から死に向かって少しずつ存在が蒸発している、目に見えないほどゆっくりと。でもそれは決して怖いことはありません。日常の中にささやかな美を、道端で奇妙なかたちの石を見つけることができたなら。
だから、私は剥きかけの林檎や、積み重ねられたコップといった、国籍も階級もない生活の最小単位を描きます。人の横顔もありふれて、かつ日々刻々と変化してゆくもの。だからこそ一瞬一瞬が肝心だという思いを、作品に込めているわけです。極力シンプルな方法で。」
絵画には、ひとつひとつテキストがつく構成ということで、謎解きできるのが楽しみだ。
会期中には、東京では2年ぶりとなる横顔ポートレイトのオーダー会も同時開催。希望する人は、お気に入りの服やユニフォームを身にまとって訪れてほしい。
インフォメーション
岡 美里『私たちは非常にゆっくりと蒸発している』
会期:2026年1月24日(土)~2月7日(土)
休館日:月、火
開館時間:13:00~18:00(最終日は17:00まで)
場所:SISON GALLERy 東京都渋谷区猿楽町3-18
Official Website
https://sison.tokyo/info/6569012
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