カルチャー
ジョー・アーモン・ジョーンズが教えてくれた秋に聴きたい20曲。
POPEYE MUSIC FORUM Vol.19

これDOW!?
cover design: Ken Kagami(DOW!?)
jingle: Metoronori(MUSIC FORUM)
special thanks: Joe Armon-Jones
photo: Jack Orton
coordination & text: Ryoma Uchida
edit: Yu Kokubu
2025年10月13日

本誌2025年5月号「Hello, Tokyo 僕の東京探訪記」(No. 937)の連載『音楽家の部屋』にも登場! ぜひチェックしてみてね。
今回の「MUSIC FORUM」は特別編。サウス・ロンドンを拠点とするキーボードプレイヤーでエズラ・コレクティブの創設メンバーの一人、Joe Armon-Jonesが登場! 今年『All The Quiet (Part I)』『All The Quiet (Part II)』という2枚の新譜をリリースし大活躍中の彼が、最近愛聴している曲から、欠かせない名盤、おすすめのニューカマーまでたっぷり教えてくれたよ。ポッドキャスト内では番組レギュラーメンバーらで、その選曲を堪能中。そんな雑談の音声はあくまでオマケなので、ひとまず記事をぐーっと下までスクロールしてどんなプレイリストになっているかチェックしてみて。ということで、もしも本日のBGMに迷ったら“これDOW!?”ぞー!
↓ ポッドキャストの視聴はこちらから! ↓
※ポッドキャスト内で楽曲は流れません。サブスクにもあるけどもしも素敵な出合いがあったらレコードやCDで探してみてね!
選曲者
Joe Armon-Jones
01-今日の気分に合った曲は?
Sunset Rollercoasterの「My Jinji」かな。アウトロが最高!
彼らのフジロックのライブは素晴らしくて、本当に心に刻まれたよ。
02- 新アルバム『All The Quiet (Part II)』からポッドキャスト収録中に聴いてほしい1曲を教えてください!
「War Transmission」かな。
03- 新アルバムのサウンド・デザインが素晴らしかったです。そこで、他のアーティストの曲で特に音響やサウンド・デザインが優れていると思うものを教えてください。
おお、すごい! いい質問だね! Christof El Truentoの『Sunflower』って曲がすごく印象に残ってて、長い間、良いサウンド・デザインの参考として頼りにしてたんだ。でも、一緒に『Idiom』と『Archetype』を作ったMaxwell Owinも、サウンド・デザインのチャンピオンだよ!!!
04- お気に入りのデュエット曲を教えてください
Ernest Wilson & U-Royによる「I know myself」だね。美しい歌声の歌手と素晴らしいトースターMC(編集部注:会話やリズミカルなスピーチを行う「トースティング」技法を完成させたことから)の古典的組み合わせ。U-Royがこの曲を圧倒的に引き立てている!!! 彼はラップの元祖、オリジナル・グランドファーザーだよ。
05- アルバムの中で、特に制作が難しかったり挑戦的だったりした曲はありましたか? また、その理由は?
あります。どういうわけか『Paladin of Sound & Circumstance』のミックスがすごく難しかったんです。ドラムパートのシンバルがかなり目立ってるのに、ミックス作業でドラムから生命感を奪うような圧縮はしたくなかったから、ちょうどいいバランスを見つける必要があったんだ!
06- お気に入りのジャズソングをいくつか教えてください!
Dizzy Gillespieの「Kush」、あとは「Someday My Prince Will Come」は、ジャズを学んでいた頃、よく演奏していた曲の一つでした。
07- 好きだったり、感銘を受けたりしたレゲエ/ダブの楽曲を教えてください。
Ijahman levi(アイジャーマン)の「I’m A Levi」かな(前回東京に行った時にタワーレコードで買ったんだ)。アルバム『Haile I Hymn』収録のsteppers version(ステッパーズ・バージョン)で、one drop version(ワン・ドロップ・バージョン)じゃない方。人生で聴いた中で最も美しいボーカルの一つで、アレンジも素晴らしい。めちゃくちゃ面白いイントロがあって、あのコード進行に完全にやられるんだ!!!
08- 初めて買ったレコードは?
Gorillazの『Gorillaz』。
9- 子ども時代はどんな曲が好きだった?
ヘヴィメタルにハマった時期があって、その後はヒップホップにどっぷり浸かったんだ。だから若い頃、Roots Manuvaの『Witness The Fitness』って曲はいつまでも心に残ってたよ。初期のグライムもたくさん聴いたね。初めて聴いて気に入った曲の一つは『Sound of Da Police』で、カーブーツセールで買ったコンピレーション盤に入ってたんだ!
10- あなたの作品に最も大きな影響を与えたアルバム(またはアーティスト)はありますか?
これは答えるのが非常に難しい質問だ! King TubbyやLee Scratch Perryといった人々は、ここ8~10年で私に多大な影響を与えてくれた。それ以前には、Ahmad JamalとChick Coreaといったプレイヤーが私の演奏スタイルに大きな影響を与えかな。その間には、J Dilla、Pete Rock、9th Wonderといった人々を研究したね。だから、たった一人に絞るのは本当に本当に難しい!
11- あなたにとっての傑作アルバム(マスターピース)は?
Burning Spearの「Marcus Garvey」。全てが信じられないほど素晴らしく、アレンジは最高、ミックスはスウィート。楽曲は美しく、コンセプトと歌詞は正義に満ちている。音楽において私が好きな全てが詰まっている。
12- アートワークやコンセプトが好きなアルバムは?
Shafiq Husaynの「The Loop (full album) 」かな。
13- お気に入りのライブアルバムは?
Dizzy Gillespieの「Swing Low Sweet Cadillac」だね!
14- お気に入りの映画のサントラは?
「Fantastic Planet」。
15- 歌詞が好きな楽曲を教えてください!
Steve Kuhn「The Meaning Of Love」です。
16- ニューカマーや新曲でお気に入りの楽曲はありますか?
Kersha Baileyは今一番好きな歌手の一人です!
17- 散歩やワークアウトの際、どんな曲を聴くのが好きですか?
完全に気分次第だね! SOSバンドの「Tell Me If You Still Care」とか?
18- 最近買った曲は?
Junior Delgado「Tiction」は素晴らしいキラー・スロー・チューンだった。
それから、Prince の「Prince」はラムズゲートで掘り出し物として見つけたレコード!
19- 日本のアーティストやアルバム、曲で好きなものはありますか??
Kyoto Jazz Massive!!! 彼らが大好きだよ:)
20- 最後に、お別れに一曲お願いします!
POPEYEのSpotifyページに全曲まとめておきましたので、こちらも良かったら聴いてみてね!
今回の選曲者
Joe Armon-Jones
ジョー・アーモン・ジョーンズ|93年生まれ。BRIT AWARDS 2025で「Best British Group」を受賞したエズラ・コレクティヴのメンバーで、ロンドンを拠点に活動するキーボードプレイヤー/作曲家/バンドリーダー/プロデューサー。モーゼス・ボイド、ヌバイア・ガルシア、シード・アンサンブル、トニー・アレンといったアーティストのプロジェクトに参加するなど、引く手あまたのコラボレーターとしてUKジャズシーンを牽引する存在だ。
インフォメーション

All The Quiet (Part II)
オール・ザ・クワイエット(パート2)|今年6月13日にリリースした最新作で、2部構成の大作。多くのメディアから称賛された『All The Quiet (Part I)』に続く後編だ。ダブ/レゲエを駆使しつつ、コンセプト的にはパート1とつながりながらも、新たな領域へと音楽的・音響的な広がりをみせる。UKソウル/UKジャズのエッセンスが最高密度で凝縮された最新作をお見逃しなく!
アルバムの詳細はこちら!
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=14690
番組出演者のプロフィール
プロフィール
コクブユウ
POPEYE Webクリエイティブディレクター。本番組のナビゲーター。「最近編集を担当した書籍『はじめの自炊帳』(著・土井光/マガジンハウス)が先日発売しました。ぜひ手に取っていただけたら嬉しいです。」
井出幸亮
いで・こうすけ|1975年、大阪府生まれ。編集者。POPEYE Webシニアエディター。古今東西のアーツ&クラフツを扱う雑誌『Subsequence』(cubism inc.)編集長でもある。本誌『POPEYE』(マガジンハウス)、『工芸青花』(新潮社)などさまざまな媒体で編集・執筆活動中。主な編集仕事に『ズームイン! 服』(坂口恭平著/マガジンハウス)、『ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと』(新潮社)、『細野観光 1969-2021 細野晴臣デビュー50周年記念展オフィシャルカタログ』(朝日新聞社)など。著書に『アラスカへ行きたい』(新潮社、石塚元太良との共著)がある。
内田稜真
うちだ・りょうま|2000年、神奈川県生まれ。大学在学中に「POPEYE Web」のスタッフらと出会い、そのままライターの道へ進む。最近は『Los Apson? 低空飛行の30年”?”』、『エフェメラを探して。』、『Goozen(グーゼン)という名のギャラリー。』など音楽をはじめアートや福祉などの記事を中心に執筆中。
番組概要

これDOW!?
POPEYE Webの記事を眺めながら聴く『これDOW!?』は、モノをきっかけに編集者らがエデュケーションしていく番組。街をぶらぶらして偶然見つけたモノや取材時に出合ったモノを考察してみたり、タイトル通り「これDOWなんだろう?」といった価値のよくわからないモノなどを囲んで雑談中です。ときにはゲストと一緒にモノを作ってみたりもね(更新は不定期です)。メインチャンネル『POP-EYE MEETING 編集会議』もよろしくお願いいたします。
📩 メールアドレス
popeyeweb@magazine.co.jp
POPEYE Web制作の他番組は以下より。
ピーター・バラカンのプロテスト・ソングあたりから始める政治の話。
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