カルチャー

うだるような暑さを避けながら訪れたい展示4選。

さーて、7月はどんな展示に行こうかな。

2025年7月8日

仮設と検証-展覧会設営の為の展覧会-搬入計画編
@多摩美術大学八王子キャンパス アートテーク・ギャラリー101

 近年のラジオやポッドキャストの人気は凄まじい。「オールナイトニッポン」の協賛スポンサーは約100社と最盛期を上回る数にまでV字回復。芸能界のスターたちから、市井の人々に至るまで、業界や日々の生活の「裏側」を語るコンテンツは隆盛を極めている。目の前の人や事象に対しての解像度が高くなったり、深く知り考えるきっかけを与えてくれたりするのがこうしたコンテンツの強みだと思うが、では、アートの「裏側」は? そんな側面のひとつであり、芸術の営みを成り立たせる上で切っても切れない「展示設営」にフォーカスしているのがこちら。アーティストとして自立する上で「制作」はもちろん大事だが、意外と見落としがちなのが、作品の梱包や展示の企画や什器の制作など、展覧会を行う上での「準備」のこと。「完成」を目指すアートの世界では隠されがちな側面を、体系的に、かつオープンに伝えていく展示のための展示。そんな技術や知識を共有しつつ、鑑賞者や作家たち、学生たちとともに展覧会について広く考えていくことを目的とした、芸術の大事な「裏側」を作り上げる場にぜひ参加してみよう!

インフォメーション

仮設と検証-展覧会設営の為の展覧会-搬入計画編

会場:多摩美術大学八王子キャンパス アートテーク・ギャラリー101
会期:2025年6月26日(木)〜7月12日(土)
時間:10:00〜17:00
休み:会期中無休
料金:無料

Official Website
https://sculpture.tamabi.ac.jp/exhibitions/mMU04uNo

詳細はコチラ
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1pUatm9msxhxNkoxmu7PhlkMayn9zfz9is62K3bjtstc/edit?hl=ja&gid=69467805#gid=69467805

Goozenのぐうぜん2 3ねんと3かげつ
@Goozen

 神奈川県横浜市、弘明寺エリアにあるギャラリー『Goozen』。障害がある人もない人も、様々な人が表現をするアートギャラリーを目指して、開廊以来、障害者のアーティストと健常者のアーティストが合同で作品展示するという独自の取り組みを続けている場だ。オープンから3年と3ヶ月を記念した展覧会がこちら。朝田翔一郎、内田昭夫(『studio COOCA』)、土屋未久、吉田陸人(『やまなみ工房』)などなど、ゆかりある作家をはじめ、参加作家はなんと31名の大編成。「出会い」を大切にしてきた『Goozen』で、ぐうぜんの創造に立ち合おう!

インフォメーション

Goozenのぐうぜん2 3ねんと3かげつ

会場:Goozen
会期:2025年7月9日(水)〜7月31日(木)
時間:13:00〜19:30(最終日18:30まで)
休み:月、火、金

Official Instagram
https://www.instagram.com/goozen6/

チェン・フェイ展 父と子
@ワタリウム美術館

PDF 2025年 リネンにアクリル 120 x 100 cm

漫画家の出張 2024年 リネンにアクリル 290 x 220 cm

ラブレター 2024年 リネンにアクリル 290 x 220 cm

超自然 2022年 リネンにアクリル、金箔 120 x 100 cm

 ナチス政権下のドイツで漫画家として活動したE.O.プラウエン。政権批判によって執筆を禁じられた彼が描いた名作『Vater und Sohn(父と子)』で描出されるのは、ほのぼのした「日常」と愛が溢れた温かい笑いだった。そんな物語と共鳴したのが、北京を拠点に活動するアーティストのチェン・フェイだ。自伝的なアプローチを用いて彼が描き、思索するのは、夫と妻、父と子、同僚や親しい知人との関係や、中国人画家としての自らのアイデンティティについて。本展では、2022年から2025年にかけチェン・フェイが描いた新作絵画15点に加え、高さ7mの壁画、インスタレーション、ドキュメントなどが、サイトスペシフィックにキュレートされた空間の中で楽しめる。「全体が混乱している中で、個人の力はあまりにも小さく見える」と作家は語る。現代の社会を覆う漠然とした不安感、不条理のなかで、1人の人間が感じた「リアル」な気持ちが広がる。

インフォメーション

チェン・フェイ展 父と子

会場:ワタリウム美術館(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6)
会期:2025年7月3日(木)〜 10月5日(日)
時間:11:00〜19:00
休み:月(※7月21日、8月11日、9月15日は開館)
料金:大人¥1,500、学生(25歳以下)¥1,300
協力:PERROTIN

Official Website
http://www.watarium.co.jp

ジャン=リュック・ゴダール「感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について」
@王城ビル

キービジュアルデザイン/北山雅和

ジャン=リュック・ゴダール近影 ⓒFabrice Aragno

 多作かつ、数々の傑作を送り出し、最期まで精力的に活動し、映画の世界を牽引した巨匠ジャン=リュック・ゴダール。2022年に亡くなった彼の晩年期に、撮影監督として活躍したファブリス・アラーニョがキュレーション設計した注目の展覧会だ。ゴダール最後の長編『イメージの本』を映像インスタレーションとして再構成。映画、絵画、文学の引用をコラージュしつつ、歴史、戦争、宗教、芸術などのテーマを紡いだ5章からなる本作を、展示空間に構成し直し、ゴダールの思索的宇宙を彷徨い体感する展覧会だ。新宿の地に現れた世界の断片たちから立ち現れるヴィジョンを刮目せよ!

インフォメーション

ジャン=リュック・ゴダール「感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について」

会場:王城ビル(東京都新宿区歌舞伎町1-13-2)
会期:2025年7月4日(金)~8月31日(日)
時間:12:00~20:00(※展示室入場は閉館の30分前まで)
休み:会期中無休
料金:一般¥2200

Official Website
https://godardtokyo.com/

下記、関連イベントも開催!
ファブリス・アラーニョ写真展
「ジャン=リュック・ゴダール 最後の冬 深淵なる(複数の)愛」“Jean-Luc Godard Dernier hiver Tendresses plurielles”

会場:OIL by 美術手帖ギャラリー(東京都渋谷区 渋谷 PARCO 2 階)
会期:6月27日(金)~7月27日(日)

「ゴダール展」関連フェア実施店舗
・銀座 蔦屋書店/代官山 蔦屋書店/京都 蔦屋書店:7月4日(金)~
・TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷サクラステージ:7月12日(土)~
・六本木 蔦屋書店:7月15日(火)~
※各店舗での展開内容・終了日は異なります。詳細は各店舗HPをご確認ください。