カルチャー
『三体』『マイナス・ゼロ』……“超突飛”なSF小説は「現実への影響力」大⁉︎
まなびじゅつ文芸部 Vol.1【前編】
2025年7月15日
ポッドキャスト「まなびじゅつ」では、美術批評や写真研究を行う村上由鶴さんと、駆け出しライターのウチダが雑談中。番組の目的は気軽に喋りながら一緒に考えを深めること、のみ。今回からは新企画が始動です! 「文芸部」とストレートに題して、放課後の部活動みたいにゆる〜く読書会を開催してみました(模索中)。課題図書は「エビデンスを嫌う人たち」(リー・マッキンタイア・著/西尾義人・訳/国書刊行会/2024)です。
課題図書
「エビデンスを嫌う人たち 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?」(リー・マッキンタイア・著、西尾義人・訳/国書刊行会/2024)
主に【後編】から取り上げます。もしお時間ある方は、次週の配信に合わせて読んでみて!
今週の【前編】では、本題に入る前のアイドリングトーク中。村上さんが最近訪れた展覧会のお話や、SF小説作品が可能にする「体験」の話、中国発のベストセラー『三体』とタイムトラベルものの傑作『マイナス・ゼロ』など、本書に関連した(?)話題をざっくばらんに雑談中。
来週公開予定の【後編】ではいよいよ『エビデンスを嫌う人たち』を掘り下げていきます。もしお時間のある方は配信までに読んでみて、一緒に参加してみてください〜。視聴は以下のリンクからどうぞ!
↓こちらの再生プレーヤーからもどうぞ。
今回のキーワード
文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業 成果発表イベント「ENCOUNTERS」/一過性の鑑賞体験/SF小説の想像力/『三体』/Netflixとオーディブル/「怖さ」/1億年/「現実への影響力」/『マイナス・ゼロ』/『沈黙の春』と「虫けら」/科学/『エビデンスを嫌う人たち』
※以下、番組から一部抜粋 詳しくは本編でお楽しみください!
村上由鶴
メディアアートの作品を鑑賞しているとき、なんだか“一過性のもの”に思えてしまうことがあるんです。鑑賞体験がそのときだけに限定されているというか。
ウチダ
「自分ごと化」されないって感じですかね。
村上由鶴
その点、SF小説はそこで描かれる“長い時間軸”に思いを馳せることを可能にする気がします。そんなテーマで今回は本題に入る前に、『三体』について雑談をしたくて!
SFで描かれていることが“超ふざけてる”、“超突飛”みたいな感じに思えることもあるし、怖いシーンも突き抜けて怖かったりしますよね。で、そんな場面を通して「自分ごととして考えちゃう」みたいな機能がある気がするんですよね。
ウチダ
たしかに、タイムマシンや「どこでもドア」などのSF的発想も「自分が使うなら」とか、考えますよね。
村上由鶴
最後まで『三体』を読むとより感じると思うのですが、“スパンのデカさの良さ”に改めて気づきました。一過性ではない、「現実への影響力」みたいなものがSF小説の面白いところだと思うんです。
ウチダ
SF作品は一億年とか、ありえないスパンを自分ごとに想像させる力がありますね。
村上由鶴
そもそも、人間の想像力ってここまでいけるんだ⁉︎ っていう純粋な驚きもありました。
で、そんなSF作品や「科学」について、考えをもっと深めていくうえで、“今”語りたい本が『エビデンスを嫌う人たち』です。
ウチダ
次週はいよいよこの本を読み解いていきたいと思うので、もしお時間ある方は配信までに読んでみてください〜!
プロフィール
村上由鶴
むらかみ・ゆず|1991年、埼玉県出身。秋田公立美術大学助教。写真、現代美術、人権課題についての執筆活動を行う。2022年2月よりPOPEYE Webにて「おとといまでのわたしのための写真論」を連載中。光文社新書『アートとフェミニズムは誰のもの?』(2023年8月)、The Fashion Post 連載「きょうのイメージ文化論」ほか、雑誌やウェブ媒体等に寄稿。
内田稜真
うちだ・りょうま|2000年、神奈川県生まれ。大学在学中に「POPEYE Web」のスタッフらと出会い、そのままライターの道へ進む。最近は『Los Apson? 低空飛行の30年”?”』、『エフェメラを探して。』、『Goozen(グーゼン)という名のギャラリー。』など音楽をはじめアートや福祉などの記事を中心に執筆中。
番組概要
まなびじゅつ
美術批評・写真研究を行う村上由鶴さんと、POPEYE Web駆け出しライターのウチダが、日常生活のことや一冊の本について「考えながら喋っていく」雑談ポッドキャスト。“まなぶ”といっても、受験のために役に立つとか、なにかを覚えるとかじゃなく、身の回りの出来事やニュースをきっかけに、気軽に喋りながら一緒に考えを深めていくことが目的です。 ★番組内企画としては、通常の雑談回と、一冊の本についてゆる〜く読書会を開催する「文芸部」など。お便りもお待ちしております。→popeyeweb@magazine.co.jp
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