カルチャー

空飛ぶ魔法の体得は『東京ドローンアカデミーメインキャンパス』で。

東京五十音散策 錦糸町③

2024年7月5日

photo: Hiroshi Nakamura
text: Ryoma Uchida
edit: Toromatsu

東京都内の駅名を「あ」から五十音順に選出し、その駅の気になる店やスポットなどをぶらりと周っていく連載企画「東京五十音散策」。「き」は錦糸町へ。

「十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない」と言ったのはSFの巨匠アーサー・C・クラーク。近年注目されているドローン技術は、まさに空飛ぶ魔法の杖だ。ここ錦糸町の地で、そんな魔法の萌芽を目撃&体得することができる。

 錦糸町駅から押上方面へ歩く。『東京ドローンアカデミー』は無人航空機・ドローンを学ぶための学校であり、国が定めた登録講習機関である。現在は全国に6校あり、こちらはそのメインキャンパス。生徒には、資格を必要とする社会人をはじめ、SNSや動画制作のために講習に訪れる初心者の方も多く、その目的もレベルも幅広い。なにより、「1等無人航空機操縦士ライセンス」を習得したインストラクターたちが手取り足取り優しく教えてくれるアットホームな空気が流れていたのが印象的だ。学科講習はオンデマンド、飛行練習をする実地講習は通常2、3日で、入学希望者は誰でも体験から始められる。

 『東京ドローンアカデミー』を設立した南浦さんは、元々は商社マン。自身の会社を立ち上げたのが29年前。USJ、ディズニー、ルーカスフィルムなどの事業にモノの製造などの分野で携わってきた。アカデミーでの配信教材作りや、生徒の管理システム、飛行用フライトシュミレーターの開発など、これまで培ってきた技術を活かしたコンテンツと環境づくりがなされている。

「東京は飛行禁止区域がほとんどなので、卒業生にはこの施設内で飛ばせるようにしてあげています。また、うちで航空局へ申請して、山に一緒に撮影に行くこともあります。どう楽しんだら良いかわからない人もいると思うので、ルールに則った楽しみ方を教えてあげることも目的の一つです。国家ライセンスは一生ものですからね」

 ドローンは、個人で撮影を楽しんだり、映像事業や宅配事業にて使用されるだけでなく、農業や林業、航空分野をはじめ、様々な社会課題に対応するための応用もすすめられていて、その可能性はまだまだ広がりを持っている。空という次なるフロンティア。空飛ぶ魔法を操る資格はぜひここでとっておこう。

今回は取材ということで、特別に操縦体験をさせてもらった(入学希望者は事前に予約することで体験も可能)。UFOキャッチャーのように方向を定め、モニターで位置を確認しながらドローンを飛ばしていく。

いざトライしてみるとラジコン感覚で操縦することができ、操作のハードルが低いことにびっくり。俯瞰したカメラアングルや滑らかな動きを再現でき、ロボットを動かしているみたいでワクワクする。

アカデミーでは卒業生のドローンも預かってくれ、アフターフォローも手厚い。東京では申請すれば松戸で飛行させることができるそうで「夜の東京は光の絨毯のように美しい」そうだ! ぜひ見てみたい。

インフォメーション

空飛ぶ魔法の体得は『東京ドローンアカデミーメインキャンパス』で。

東京ドローンアカデミーメインキャンパス

2020年に設立。国が定めた制度設計に基づいた講習プログラム・訓練・試験を実施し、ライセンスの習得ができる講習機関。大阪、神戸、富山、三重など、現在は全国に6校あり、錦糸町はそのメインキャンパスになる。費用やスケジュールは公式サイトをチェック。

○東京都墨田区横川1-1-10 ☎︎03•5637•7761 9:00〜17:00

Official Website
https://sepia-rock.com/tokyo.drone.ac/

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