ライフスタイル

特集「ぼくと服と東京の暮らし。」

NO.925

ぼくと服と東京の暮らし。

2024年4月8日

 ポパイでは約2年ぶり、久しぶりに作った東京特集です。でも、いつもとはちょっと様子が違います。気になる街のガイドマップや、ニューオープンのお店がたくさん載っているわけではありません。代わりに考えたのは、東京らしい「暮らし」のこと。どんな服を着て、どんな店で買い物をして、部屋にはどんな家具があって、友達と集まる時は、どこで何を食べるのか。2024年のいま、僕らが面白い、かっこいいと思う「シティボーイ」の生活は、どんなものだろうかと考えて、それを象徴するような服や、物や、お店を厳選し、一冊にまとめました。

特集は、巻頭のポップアイからスタート。ジャケットを着て、代々木公園でアペロを。

 この号を中心になって作ったのは、2012年のリニューアルから2018年まで、ポパイのファッションディレクターを務めた、スタイリストの長谷川昭雄。最近は外で活動していた彼が、久しぶりポパイに戻ってきて作った一冊です。たぶん、かなり偏った東京の話です。でも、じっくりと目を通してもらえたら、きっとこの街で、これまで以上に面白く暮らすためのヒントを、たくさん読み取ってもらえると思います。

東京で暮らす僕らに必要な服と、知っておくべきお店のこと。

 特集のメインパート「ぼくと服と東京暮らし」では、スタイリストの長谷川昭雄と考えた「2024年のシティライフ」をカタログに。この夏にはどんな服を着るべきか、椅子を買うなら何が良いか、気になるコーヒー、スニーカーのスタンダード、行っておくべき古着屋、空間のかっこいい飲食店、いつか欲しいセーターや靴のこと、などなど。ただ物やお店を紹介するだけではなく、「どうしてそれを選んだのか」という、普段は伝えきれない考え方の部分まで、ポパイ編集部と長谷川昭雄の対談形式で、情報たっぷりにお伝えします。ラッパーのZORNをはじめ、長谷川昭雄の友人たちによるエッセイも掲載。

豪徳寺のアウトドア古着店では、90年代のアノラックが新品のようにサイズ違いで揃っていた。

〈パタゴニア〉は、実は地球環境に配慮した食品やお酒をお店で売っている。

通常は使われない「落ち綿」で作った靴下は、素朴な風合いに。

節のある木を表面に使った〈アルテック〉の新顔。

 地球環境に配慮したクラフトビールやナチュラルワインを作る〈パタゴニア〉に、今まで使われていなかった節がある木材を使ってスツールを作る〈アルテック〉。服も、食も、インテリアも、環境問題も、ライフスタイルとしてつながっている。そういうことを知り、楽しむのも2024年の東京らしさ。

菊川の『倉庫』でカンパーニュとボトルワインを。

テーブルの赤色は、飲めなくなったワインを使って染めたもの。

この季節、着心地のいいシャツを着て、外の席で飲むワインは最高。

明るい時間からワインとパンを楽しめる豪徳寺の『ブラン ア トウキョウ』へ。

 少し前なら洋服屋やクラブに集まっていたようなユニークな東京の若者たちが、いまは飲食店で働いていたり、お客としてそこに通っていたりする。食は音楽やアートとも結びつきながら、カルチャーとして重要な存在になっているのだ。今回の特集では、東京のナチュラルワインのシーンを中心に、僕らがいま気になっている飲食店も紹介。

デッドストックのアメリカ製チノが豊富に揃う富ヶ谷の名店。

ずっといいもの。〈コム デ ギャルソン・オム〉のシャツ。

いつか手に入れたい、鼈甲製のメガネ。

暑い東京の夏には、メリノウールの服がいい。

 シティボーイの服選びも、この号のテーマのひとつ。暑い暑い東京の夏を快適に過ごすための服、ローカルなエリアに増えているという個性的な古着屋、そして流行に左右されず、いつの時代もずっといい物。この春の買い物だけでなく、その先もずっと使える、もの選びの参考図書として。

TOKYO NATURAL WINE HANDBOOK

 特集の後半には、この街の今を切り取った、東京ガイドのページもしっかりと。今回のホットトピックは、いまや東京の街のすみずみにまで広がっているナチュラルワイン。ビギナーがいくべきお店から、もっと美味しく飲むための先輩たちからのアドバイスまで、「ナチュラルワインって何だっけ?」って人にこそ読んでほしい入門ガイド。

扉ページのイラストはアルゼンチン在住のイラストレーターmarianclick。

まずは予約なしで気軽に入れるスタンディングのお店あたりからどうだろう?

シックなレストランでも、コース営業終了後のバータイムならグラス一杯から気負わずに。

週末なら、コーヒー代わりにワインで休憩。なんて飲み方も。

パリ在住のソムリエが選んだワインを、表参道で。

東京暮らしの123!

 最後を飾るのは、東京の旬のスポットをこれでもかと詰め込んだ「東京の123!」最近増えていると噂のシェアショップから、魚が美味しいサンドイッチ、気の利いたホームパーティのお土産に、ひとクセあるインテリアが手頃に買えるリサイクルショップまで、たっぷり105軒。明日のランチは? 週末の買い物どこ行こう? GW暇だな〜。なんて日々のギモンは、このページを見ればだいたい解決しちゃいます。街の東京通たちによる、行きつけのお店の紹介も!

次の週末は、1度で2度美味しいシェアショップへGO。

早起きした日は、富ヶ谷&駒場でモーニング。

友達の家みたいな一軒家の庭に、ギャラリーの入り口が!

掘り出し物が眠る、穴場のリサイクルショップも。

インフォメーション

特集「ぼくと服と東京の暮らし。」

POPEYE2024年5月号「ぼくと服と東京の暮らし。」

シティボーイの服選びと、僕らが通っている東京の店の話。2012年から2018年までPOPEYEのファッションディレクターを務めたスタイリスト・長谷川昭雄と考えた、2024年のシティライフについての一冊。