ファッション
テニスカルチャーをルーツに持つブランド〈Palmes〉とディレクターのニコライ・ハンソン。
2023年1月2日
photo: Hiroshi Nakamura
cooperation: KOMAZAWA RACQUET CLUB
テニスカルチャーをルーツに持つブランドと聞くと、クラシックなロゴが頭に浮かぶけれど、今回紹介するのは2021年にスタートしたばかりのメンズウェアブランド〈Palmes〉。ディレクターのニコライ・ハンソンが来日するという噂を聞き、せっかくだからとテニスコートで待ち合わせ。現れたニコライは、ストリートなフレンドリーさとジェントルな佇まいを併せ持つナイスガイだった。
それもそのはず、元々はバリバリのスケーターだったという。
「青春時代のほとんどはスケートボードをやっていて、テニスを始めたのはここ1、2年。すぐに魅力に気がついて〈Palmes〉を立ち上げたんだ。テニスは一部の人に向けた競技というイメージを持たれていて、そういう部分もあるかもしれないけれど、本当はいろんな人と一緒に楽しめる最高なスポーツ。だから、〈Palmes〉はみんなに開かれたテニスカルチャーを作るためのブランドでもあるんだ。いつかお店を持ったら店内で壁打ちができるようにしたり、隣に誰でもプレイできるテニスコートを作ったりしたい。スケートボードのパークように開放されているコートがあった最高でしょ? このロゴを見たら同じような感覚で『テニスが好き』ということがわかる、そんなブランドにしたいんだ」
と、話しをしつつプレイをスタート。現代はほとんどの選手がバックハンドを両手で打つけれど、ニコライは比較的難しい片手のバックハンドでプレイしていた。理由を尋ねると「やっている人が少ないし、かっこいいからね」というシンプルすぎてあまり聞いたことがない答えが返ってきた。「テニスとスケートボードは似ている部分があると思ってて。ホワハンドとバックハンドで体の動きがスイッチするのはスケボーのレギュラーとグーフィーに似ているし、プレイヤーによって戦い方やフォームに特徴があるのも、スケーターたちが大事にしている“スタイル”と同じだと思っているんだ」とニコライ。テニスに対してこういう視点を持ったブランドは実はあんまりない。服が良いのはもちろんだけど、そんな話を聞いたから〈Palmes〉がこれからどんな服を作って、どういう角度でテニスカルチャーに関わっていくか改めて楽しみになった。
最後に余談。初対面の場所がテニスコートというのは会議室や喫茶店より断然いい。いわゆるインタビューの時間は少なかったけれど、普通に話を聞くより彼のテニスに対する想いがわかった気がした。
プロフィール
Nikolaj Hansson
ニコライ・ハンソン|デンマーク生まれ。2021 年、クラシックなテニスウェアの上品さから着想を得た、現代的なメンズウェア ブランド 〈Palmes〉 を立ち上げた。
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