カルチャー

☑️今週末のTO DO LIST

面白いことはすぐチェック。予定を埋めてエンジョイ!

2022年3月26日

cover design: Kazuma Mikami
photo: Naoto Date(food)
text: Keisuke Kagiwada(movie&book), Shoko Yoshida(food)
edit: Ryoma Uchida

いつのまにか桜も咲き始めて、春めいているではないか。
時の流れに取り残されないように、おすすめコンテンツを今週も一気に紹介!


☑MOVIE

『ニトラム/NITRAM』ジャスティン・カーゼル(監)を観る。

(C) 2021 Good Thing Productions Company Pty Ltd, Filmfest Limited

社会に馴染めない1人の青年が、初老の女性と出会い一緒に暮らす……のだが、そこからの展開はまったく予想がつかなかった。オーストラリアで実際に起きた事件を元にしているらしいが、予想のつかなさを味わいたいなら、事前情報は入れずに観るべし。その上で少しだけ付け足すと、ガス・ヴァン・サントの『エレファント』と『ラスト・デイズ』を核融合させて、エモさを引いたような映画だと言えるかもしれない。特に唖然としたのは、あることがきっかけで主人公の父親がソファから起き上がれなくなるくらい意気消沈してしまうのだが、そのソファにビニールが張られていたこと。エモさのかけらもない渇ききった殺伐感! たぶん、ガスにはソファにビニールを張るなんてことはできないだろう。3月25日より公開。

『ナイトメア・アリー』ギレルモ・デル・トロ(監)を観る。

ギレルモ・デル・トロ監督最新作は、1930年代のアメリカで、ひょんなことから見世物小屋で働くことになったスタンが主人公だ。そこで読心術の手練手管を学んだ彼は一座を離れ、一流ホテルで読心術ショーを開催するようになる。のだが、金に目がくらんで越えてはいけない一線を……という話。一方で、本作は“ギーク”をめぐる物語でもある。劇中では、“獣人”と訳され、見世物小屋で生きたニワトリを食べる人間がそう呼ばれるのだが、現在この言葉が“オタク”を意味することはよく知られている。でもって、デル・トロが“ギーク”界のスターであることは言うまでもない。それを踏まえると、最後にスタンがつぶやく言葉がまた違った意味を帯びてきそうな気がするが、どうなんだろう。3月25日より公開。


☑TV&RADIO

3月26日(土)24:58〜TBS『オールスター後夜祭’22春』を見る。

日中の暖かな日差しと、『オールスター感謝祭』の文字でいよいよ春の到来を感じる。今年もそんな時期か〜などと思いつつ、『感謝祭』と同日夜に放送される『オールスター後夜祭』が非常に楽しみ。毒の効いたクイズで深夜にゲラゲラ笑いたい。

3月26日(土)26:25〜フジテレビ『映画「リリーのすべて」』を見る。

世界初の性別適合手術を受けた人物を題材にした物語『リリーのすべて』を観て夜更かし。主演は『ファンタビ』でもおなじみエディ・レッドメイン。
トム・フーパー(監)/ 2015年 / イギリス

3月27日(日)24:45〜NHK Eテレ『怖い絵本』を見る。

話題の怪奇絵本を主題にNHKがおくるホラードラマの新作3本が一挙に放送。近づいてきた暖かな春のムードを一気に壊してしまおう。


☑FOOD

移転オープン『コンカ』の
人気メニューいろいろ

千駄ヶ谷のビストロ「コンカ」が、近所の路地裏にあった姉妹店「ティグテリア」と場所をチェンジし、3/9に再スタート。定番メニューのサラダや生のりパスタはそのままに、旬のうどを使ったクスクスやトマトソースをまとったカニクリームコロッケなど、人気メニューがリニューアルして登場予定。フランスの片田舎にある小屋のようなこじんまりした空間で、ナチュラルワインと一緒に楽しみたい。

インフォメーション

コンカ

先月オープンの「ティグテリア」でパンやデリも是非。◯東京都渋谷区千駄ヶ谷4-21-5 ☎︎080・9443・8808 19:00〜25:00 土・日休


☑BOOK

『宝ヶ池の沈まぬ亀 ある映画作家の日記2016‒2020』を読む。

『宝ヶ池の沈まぬ亀 ある映画作家の日記2016‒2020』
青山真治(著)

『Helpless』『ユリイカ』『共喰い』『空に住む』などで知られる青山真治監督が、日々の思考の軌跡を記した日記本。いや、その思わず音読したくなる筆致を含め、これこそ日記文学という名にふさわしいのではないか。映画はもちろん、本や音楽、そして食事まで、貪欲なまで探究するその姿勢には見習うところが多いはず! ¥3,520/boid


☑ART

“ペイン天狗” 長谷川繁とO JUN@カスヤの森現代美術館

1990年代、新しい具象(ニュー・フィギュラティヴ・ペインティング)の作家として注目され、作家活動の初期から影響関係にあるO JUNと長谷川繁の二人展。「描く」ことの本質に向き合ってきた彼らの作品がどのように共鳴しているのか非常に興味深い。常設展示も充実のラインナップなのでそちらも併せて鑑賞したい。

会場:カスヤの森現代美術館
会期:2022年1月8日(土)〜4月3日(日)
時間:10:00-17:30(入館は17:00まで)、月・火・水曜休館。
入場:一般700円、学生600円(小学生400円)

石塚元太良: Ondulatoire展@ NUKAGA KOTARO ROPPONGI

KOTARO NUKAGA ROPPONGIにて、石塚元太良の個展「Ondulatoire」が開催中。写真家、石塚元太の新作を含む17点の作品が展示されている。展示された写真空間のなかで表現されているのは音楽の立体化であり、「音楽の建築」だ。建築、音楽、写真という3つの領域をまたいだ静謐な空間を味わおう。

会期:2022年2月5日(土)〜2022年3月31日(木)
会場:NUKAGA KOTARO ROPPONGI 東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル2F
時間:11:00~18:00(日月祝休)